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ロシアのクリスマス音楽

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"Russian Christmas Music"  [作曲] A.リード(Alfred Reed)  [編成] 吹奏楽(Tp 3本、 Cor 2本)  [演奏時間] 約15分  [最高音]A  [グレード]5 今日はクリスマス。 吹奏楽でクリスマスと言えばこの曲。吹奏楽の神様、A.リード作曲のロシアのクリスマス音楽です。 リード初期の名作です。 美しいロシア正教のコラール風のリードオリジナルの曲がいくつか入っています。 高校生の時、初めて聴いたときは最初地味で長くて最後キツそうな曲と思っていましたが、大人になって聴いてみると美しくていい曲だと再認識しました。 こちらは龍谷大学の演奏です。アマチュアとは思えない堂々たる見事な演奏です。 こちらが東京佼成の作曲者自身の演奏です。テンポ設定など参考になります。 金管は若干オーバーブロー気味ですね。 最後はアマチュアだとそのままバテてフェードアウトしそうな感じをなんとか持ちこたえているような感じです。 こちらの動画でスコアを確認しながら聴けます。 アメリカ空軍バンドの演奏です。 少しトランペットはおとなしいかな?という気もしますが、全体的にまとまって落ち着きのある名盤だと思います。

教会のステンドグラスより大天使ミカエル

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"San Michele Arcangelo ~ Vetrate di Chiesa"  [作曲] O.レスピーギ (Ottorino Respighi )  [編成] オーケストラ  [演奏時間] 約2分(ソロ部分)  [最高音]ハイD 一昔前までレスピーギといえば吹奏楽コンクール全国大会の定番でした。 今年(2023)の全国大会では全部門でわずか1団体となりました。(参考: 吹奏楽コンクールデータベース )魅力あるオリジナル作品が増えてきたことの裏返しではあるのですが、やはりレスピーギの魅力は褪せるものではありません。 ローマ三部作やベルキスが圧倒的に有名で多く演奏されていますが、教会のステンドグラスも同様に演奏されています。この曲が日本で有名になったのは吹奏楽コンクールのためではないか( Wiki より)との指摘もあるようです。 レスピーギといえば金管なかでもトランペットを大活躍(酷使?)させてくれる作曲なのですが、彼は実はビオラ奏者なんですね。 この曲でも多分に漏れず大活躍です。 特に第二曲の「大天使ミカエル」ではギンギンに鳴らしたかと思えば、後半でステージ裏からの麗しいソロです。 ローマの松「カタコンブ付近の松」やベルキス「饗宴の踊り」でも同様の使われ方をしていますがこちらは最高ハイDまでのハイトーンが要求されます。 スコアの指定はB管ですが、プロでもピッコロを使用しているような音です。 ミカエルはサタンとの闘いを指揮した天使だそうですが、冒頭や後半のこの激闘を表すかのような激しい部分とは打って変わって終結の直前の天から降り注ぐ天の光や天使のささやきのような美しさです。 が、このソロを任されたら恐ろしくて夜も寝れないでしょうね😱

5つのクリスマス・キャロル

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"5 Christmas Carols"  [編曲] KohZimmer2  [編成] ソロ~4重奏  [演奏時間] 各1分程度  [最高音] F 有名な5つのクリスマス・ソングをトランペットアンサンブルにしました。 1人~4人の自由な編成で楽しめるようにしています。 最高音はソ(F)までとなっており初心者~中級者でも演奏可能となっております。 in Bbですのでクラリネットアンサンブルとしてもお楽しみいただけます。 ―収録曲― ・もろびとこぞりて  Joy to the World ・きよしこの夜  Silent Night ・おめでとうクリスマス  We Wish You a Merry Christmas ・牧人ひつじを  The first Noel ・ひいらぎを飾ろう  Deck the Hall

ファンファーレ

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"Fanfare"  [作曲] K.ビェルケストランド (Kjetil Bjerkestrand)  [編曲] T.ウィリアムズ(Tony Williams)  [編成] トランペットソロ  [演奏時間] 2分  [最高音]ハイB 以前、 授賞式のファンファーレ を紹介しましたが、今年もノーベルの授賞式が近づいてきました。 毎年、ノーベル平和賞とそれ以外のノーベル賞の受賞者が招かれるコンサートがありオスロとストックホルムでそれぞれ開催されているようです。 前回紹介した受賞した時のファンファーレはストックホルムで今回紹介するのはオスロで開かれた平和賞の方のものです。 この曲はノルウェーの作曲家ビェルケストランドが2007年のノーベル平和賞コンサートのオープニングのために作曲したもので、毎年の受賞時に演奏するものではないようです。 いわゆる華々しいファンファーレとは異なり平和を望む気持ちが伝わる優しい曲です。 以前 紹介 しましたがソリストはティーネ・ティング・ヘルセット(ティーネ・シング・ヘルセス)というノルウェー出身の女性トランぺッターです。 ハイBでも力みを感じさせない堂々たる演奏です。

PETEN ~Fanfare for Trumpet Ensemble

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"PETEN ~Fanfare for Trumpet Ensemble"  [作曲] 山田悠人   [編成]トランペット10重奏  [演奏時間] 約2分  [最高音] ハイB  [楽譜入手先]  YMD MUSIC トランペットアンサンブル PTENという団体の委嘱で書かれた作品を紹介します。 出版サイトより引用~ Trumpet Ensemble PETEN委嘱作品。この作品はステージに6人、バンダを左右2人ずつ配置して演奏を行う(バンダは省略可、ステージの6重奏のみで演奏しても楽曲が成り立つように作曲されている)。演奏会のオープニングを飾るファンファーレとして厳かに、そして、華やに飾る作品である。楽曲名は委嘱団体名とした。 バンダから開始されステージは同じテーマをその後 mp のカンタービレで始まります。だんだん盛り上がっていく祝賀ムードあふれる気品のある作品です。 音域はハイBまであるものの上昇系の頂点のためあまり無理なく演奏できると思います。 演奏時間も2分とオープニングにふさわしい一曲です。

ラッパと娘

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"ラッパと娘"  [作曲] 服部良一 (R. Hattori)  [演奏時間] 約3分 今回は日本の戦前のポップスからご紹介です。 NHK朝ドラ「ブギウギ」の主人公スズ子のモデルとなった笠置シヅ子さんが歌った"ラッパと娘"です。 自称音楽好きなのですが、恥ずかしながら笠置シヅ子さんは知りませんでした。 あの美空ひばりが憧れた(のちに確執があったようですが)ブギの女王と呼ばれたそうです。yahooニュースで"ラッパと娘"の熱演が取り上げられて知りました。 ノリノリの音楽に小気味よくトランペットの合いの手が入ります。 なんといっているのか歌詞のサイトを見ても♪バドジズ デジドダ~(笑) 歌詞というよりリズムなんでしょうね。 基本的にトランペットは合いの手ですが、中間部にソロ、後半は歌手との三連系の旋律の掛け合いがあります。 こちらがオリジナルの笠置シヅ子バージョン。声に迫力がありますね。 トランペットもたまに外しているようですが、それがまたいい味になってこれはこれで素晴らしい。 話題となった熱演はyoutubeで 『ラッパと娘』フルバージョン オンステージ と検索すると聴けます。トランペットもオリジナルと比べてオクターブ上げています。 朝ドラではたびたびトランペットが取り上げられるので今回、記事にしました。 今後もまた取り上げたいと思います。

交響曲第7番より第2楽章

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"II   Symphony No. 7 "  [作曲] L.v ベートーヴェン (L.van  Beethoven )  [編成] トランペット2本 ~徒労曲~   作曲家のほとんどはピアノを用いて作曲をしているしているんだと思いますが、もし金管楽器を演奏したことがあればこんな酷いことしませんよね~骨折り損のくたびれ儲け。苦労する割に意味ないんじゃない?という曲 今回ご紹介する無駄曲は、おそらく最も有名な作曲家、ベートーヴェンの交響曲第7番から第2楽章です。第1楽章はのだめカンタービレなどでも登場し聴いたことがある方も多いと思います。明るい第1楽章とは打って変わって、暗雲立ち込めるような管楽器のロングトーンから開始される人気の高い楽章です。 その中間部にクラリネットの旋律を引き継いだフルートの裏でティンパニ、ホルンとともに pp 😅で上のGの音😑を2本ユニゾン😔で四分音符を演奏します。 そんなにこれ要るの😡⁈ ppなら一人でいいでしょ! ピアノじゃないいんだよ。 ガツンと ff な喜んで吹きますとも。 演奏しなくてバレるのはトランペット奏者だけなのに外したらみんなにバレる。 当たるだけではダメで、短すぎても長すぎてもダメ。トランペット奏者はみんな耳がダンボになって聴いているので、プロでも微妙なときあります。 2ndは本当はオクターブ下にしたかったのではないかと思いますが、下のファは当時使用されていたであろうバロックトランペットでは出すことができないで2人とも同じ音にしとけとうい感じなのでしょうか。この小節の和音のC,E,GはD管で出るし、オクターブかユニゾンが多いもののハモりでもよかったのではないかと思いますが、 あのベートーヴェン先生が書いたのでみんな仕方なく演奏してるんでしょうか。 金属的な響きのあるグロッケンとかトラアングルのような音をイメージしているのでしょうか。 この演奏は割と大きめ長めですね。 カラヤン&ベルリンPO なんか微妙😏 黄色のマーカがそれです。記譜はファですがin D(Re)なのでGの音になります。 pp で a2 ほかにも結構2ndいじめのようなことをさせています😟 この12度の跳躍。下のレは出ないんだけどこれはないでしょ。ゆったりした2楽章はまだしも高速の3,4楽章でも同じ飛びがあります。 ほかにも大作曲

亜麻色の髪の乙女/トランペット五重奏

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"The Girl With The Flaxen Hair"  [作曲] C. ドビュッシー (Claude Debussy)  [編曲] R. ガードナー(Ryan Gardner)  [編成] トランペット5重奏  [演奏時間] 2分  [調性] 原調通り 以前、亜麻色の髪の乙女の 8重奏版 は初回しましたが、今回、新たな版を発見しましたのでご紹介します。 こちらの方が当たり前ですが、サウンドが薄い分透明感がありピッコロ未使用ということでサウンドの統一感もあります。 トランペットや金管はどうしてもファンファーレやマーチなど音楽の中でも芸術性よりも派手さや音量が注目されてしまいます。 また、トランペットアンサンブルは音域も狭いことからハイトーンや安易にピッコロを使用するなど上に音域を広げたり、高速のパッセージを演奏することで盛り上げるといった、ともすれば一般の人から見ると”なんだかすごそうだけど大変そう”というイメージで終わってしまっていることが多いように思います。 この亜麻色の髪の乙女は演奏がすばらしいこともあるのですが、編曲も無理な高音を使用せず自然な仕上がりとなっており、トランペットの新たな一面を見せてくれる音楽として聴くに十分な魅力ある演奏・編曲となっています。 演奏は、NTCでもおなじみにカリフォルニア大学ボルダー校です。(講師も含まれるのかもしれませんがレベルの高い演奏です。)

夜空のトランペット

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"Il Silenzio"  [作曲] ニニ・ロッソ (Nini Rosso)  [編成] トランペット・ソロ  [演奏時間] 約3分  [最高音] F イタリアの名トランぺッター、ニニ・ロッソのヒット作である「夜空のトランペット」を紹介します。 ニニロッソがイタリアの軍隊の慰問に訪れた際に軍の消灯ラッパをモチーフに即興で演奏したのが最初だそうです。 消灯ラッパは 三つのミニアチュア でも紹介しましたが倍音のみで構成されるなんとも哀愁を帯びたメロディーです。 このメロディほぼそのままに開始され、コーラスや伴奏が入ってきます。中間部にはなんと語りまであって、今聴くと時代を感じるやや古臭いムード音楽のように聞こえますが、不思議と心地よい雰囲気にさせてくれます。 技術的にもFまで出る人であればそれほど問題なく演奏できると思いますが、このムードを出すにはかなりの年季が必要かもしれません😎

バレエ音楽「ラ・ペリ」よりファンファーレ

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"Fanfare La Peri"  [作曲] P.デュカス (P. Dukas)  [編成] トランペット6重奏  [演奏時間] 約2分  [楽譜入手先]  楽天市場 今回紹介するのは、バレエ音楽「ラ・ペリ」よりファンファーレです。 作曲したのはポール・デュカスで、ディズニー映画のファンタジアでも使用された、交響詩「魔法使いの弟子」が有名です。 金管奏者にとっては、こちらのファンファーレもおなじみで、バレエのオープニング用として作曲されたのですが、圧倒的に単独で演奏されることが多いと思われます。 ゆったりと静かな中間部もある若干長めの2~3分ある充実したファンファーレです。 今回紹介するのはトランペット6本(譜面の指定はトランペット4本+フリューゲルホルン2本)版です。 オリジナル版と比べてやはり厚みに欠けますが、輪郭がはっきりしすっきりした印象になります。オリジナル版の冒頭はチューバをはじめ低音パートには若干高めのためアマチュアではかなり微妙な音程になったりしますが、フリューゲルホルンとっては余裕の音域ですのでこれはこれでアリかなと思います。 トランペットのみにすると難度もそれほど高音があるわけでもないため中級者でも練習すればそれなりに曲になりそうです。 こちらがオリジナル版 圧巻のウィーン・フィルの演奏です。 楽譜 【取寄品】IETP735 輸入 ファンファーレ「ラ・ペリ」より(ポール・デュカス)(トランペット六重奏)【FanfareLaPeri】【メール便を選択の場合送料無料】 価格:2,310円(税込、送料別) (2023/9/20時点) 楽天で購入

交響曲第1番より第4楽章

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"4th mov. from Symphony No.1 D minor"  [作曲] S.ラフマニノフ (S. Rachmaninov)  [編成] 管弦楽(トランペット3本)  [演奏時間] 約50秒(ファンファーレ部分)  [楽譜入手先]  IMSLP(無料) 今回はオーケストラ曲の中からトランペットの活躍する曲を紹介します。 ラフマニノフの交響曲第1番です。 第4楽章の短い序奏のあと、スネアドラムともに3本のトランペットでファンファーレが始まります。それにオケ全体が加わり勇壮なテーマを奏でます。主役のような伴奏のような形で1分弱のにぎやかなファンファーレを形成するという面白い使い方です。 実はこの曲、不遇の曲で一度紛失しているんです。当時駆け出しのラフマニノフの曲は対立関係にあった楽派のロシアの大御所たちによって、けしからん曲として烙印を押されてしまったのです。 あのグラズノフがいい加減な指揮をした結果ともいわれていますが、いつの時代も”出る杭は打たれる”ものです。 作曲者の没後、レニングラード図書館で発見された初演時のパート譜より復元され出版されたそうです。 ラフマニノフといえばピアノ協奏曲第2番や交響曲第2番が有名ですが、この曲の挫折を乗り越えた賜物とも言えるかもしれません。 ラフマニノフ自身もこの曲に愛着があったようで、のちに交響的舞曲にもこの曲の第一楽章の主題を引用しています。

交響曲第1番「巨人」より第4楽章

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"Symphony No.1 'Titan' Finale"  [作曲] G.マーラー (Gustav Mahler)  [編成] トランペット八重奏+ティンパニ  [演奏時間] 約6分  [楽譜入手先]  田代音楽工房オンラインショップ 今回紹介するのはトランペット奏者には大切(大変?)な作曲家、マーラーの交響曲第1番のフィナーレです。 オケでも大変なこの曲をよくもトランペットだけでやろうと考えたもんです! ピッコロやバストランペット、ティンパニまであるという通常のトランペットのみトランペットアンサンブルからはかなり大規模な編成ですが、わずか9人でここまでできるとは。 オリジナルは20分程度の大曲ですが、アンサンブルということもあり6分程度にカットされていますが、オリジナルの雰囲気を壊すことなくカットできていてすばらしい。 難度は不明ですが、各パートただでさえキツいのにトランペットだけということもあり相当難しいことが想像できます。 この編曲以外にも田代音楽工房さんでは多数の編曲をされているようです。 また、機会があったら紹介させていただきます。

クワイエット・シティ(静かな都会)

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"Quiet City"  [作曲] A. コープランド (A. Copland)  [編成] 弦楽オーケストラ+トランペットソロ+コーラングレソロ  [演奏時間] 約10分  [最高音] ハイB  [出版] ブージーアンドホークス  [楽譜入手先]  アカデミアミュージック A.コープランドはアメリカの作曲家でエル・サロン・メヒコ、ビリー・ザ・キッド、ロデオなど昔から吹奏楽などでも編曲されアメリカの派手なイメージがありますが、今回は弦楽オケにトランペットとコーラングレのソロという変わった編成の曲を紹介します。 元々舞台劇のための音楽として作曲され、静かな都会とは大都会の夜でソロのTpは主人公のユダヤの少年とコーラングレはホームレスを表しているようです。 劇の話の内容はわかりませんが、曲調から想像するにどこかもの悲しく、穏やかな二人の語らいを思わせます。 変化はありますが、基本的にゆっくりとしたテンポのため指が回らないというような個所はなく、最高音もハイBまであるものの技術的に難しくはないですが、表現となると話は別でこの雰囲気とコーラングレとの掛け合いをうまくこなすには相当の技量が必要と思います。 アメリカの巨匠がトランペットの新たな一面を発掘してくれた一品です。

: 「トリニティ」 -3つのトランペットのための, 作品32

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"Trinity for 3 Trumpets op.32"  [作曲] 葛西竜之介 (KASAI, Ryunosuke)  [編成] トランペット三重奏  [演奏時間] 約8分  [最高音] ハイC  [グレード] 4  [楽譜入手先]  ネクサス音楽出版 三位一体を表すトリニティという題名をもつこの曲は、3人の奏者、3つの楽章で構成されています。 I.序曲  序奏部分、刻みに続きテーマ、美しく歌い上げる中間部、展開を挟んでテーマの再現をおこない終結します。 II.ノスタルジア  カップミュートをつけてゆっくりとした物悲しい曲想の美しい楽章 III.ブルレスケ  ストレートミュートをつけてリズムが面白い終楽章 和音やミュート、リズムをうまく使って3重奏という人数の少なさや物足りなさを感じさせず、一部高音(ハイC)があるものの、異常に高速なパッセージや特殊な奏法を必要とせず練習したら演奏できそうと感じさせる、やってみたくなる1曲だと感じました。

メサイアより「ラッパが響いて…」

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"The trumpet shall sound... from Messiah"  [作曲] ヘンデル(G.F. Handel)  [編成] 管弦楽  [演奏時間] 約2時間30分(該当部分 約8分30秒)  [最高音] A  [楽譜入手先]  IMSLP(無料) PART III 4曲目   メサイアといえば、あのハレルヤコーラスが有名ですが、トランペット奏者にはそれ以外にも見逃せない一曲が含まれています。 第3部 「メシアのもたらした救い〜永遠のいのち」から第4曲「ラッパが響いて…」 です。 バスの独唱が聖書の一節「ラッパが響いて...」を歌います。題名の通りトランペットがバスとともに旋律を奏でます。 最高音Aで現代のトランペットでもなかなかの高音になりますが、当時はヴァルヴのないD管のバロックトランペットで演奏していたでしょうからかなりの技術を要したと考えられます。 現代ではピッコロトランペットなどを用いてバロック時代の作品を演奏することがありますが、キラキラしてはっきりした音程となります。 バロックトランペットはモダントランペットよりも倍くらいの長さがあるため正確な音程を出すのが難しいでしょうが、低音はトロンボーンのような迫力があり高音も豊かな音ですね。

交響曲第1番

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"Symphony No.1, D.82"  [作曲] F.シューベルト(F. Schubert)  [編成] 管弦楽  [演奏時間] 約30分  [最高音] ハイD  [楽譜入手先]  IMSLP(無料)   金管、特にトランペットを演奏する上で避けて通れないバテ。このことを知ってか知らずか、トランペットを酷使する曲= 死亡曲 が数多あります。このような曲= 死亡曲 を紹介したいと思います。 このような曲は以前紹介している 暇曲 に比べ枚挙にいとまがありませんが、珍しいもの、あまり知られていないものを紹介できればと思います。 今回はあまり死亡曲として知られていないと思いますが、あの有名なシューベルトの無名な交響曲第1番です。 シューベルト若干16歳の時の作品です。 普通に聴くには特段変わった曲ではないのですが、われわれトランペット奏者にとっては異常とも言える作品。 いきなり冒頭からドミソドと上第2線上のド。しかもin Dです。つまりハイD😱 1楽章だけで13回、2楽章休み、3楽章なし、4楽章18回! 1,4楽章と割と早めのテンポではありますが、それでも連発しすぎ。しかもリヒャルトシュトラウスのようにいわゆるキメという感じでもなく普通に😝 バッハやテレマンなどにみられるように、ギルドという組織で門外不出の技術として高音を操るクラリーノ奏法のバロック時代が終わりピストンのようなヴァルヴが発明される19世紀までトランペットの氷河時代。 シューベルトもこの時代の作曲家で、自然倍音で演奏できるドミソ(たまにレ)の楽譜が基本ですが、希望に満ちた前途洋々若干16歳のシューベルトは、ドミソが出るならこのドも出るっしょ!ってことで作曲したんでしょうね。(あくまで想像です) バロックの時代ならいざ知らず、この時代はだいたい12倍音(ソ)ぐらいまでが一般的だと思います。 ( wiki ナチュラルトランペット より) この音域での使用に失望したのか、にラッパ奏者からクレームが来たのかはわかりませんが、それ以降の交響曲では高くても第13倍音(記譜のラ)までのようです。 シューベルトの交響曲でよく演奏されるのは未完成交響曲、グレート、悲劇的なのであえて第1番を演奏することはないと思いますが、ほかのパートは特に難しいところはないようなのでもしかするとアマチュアのオケで

トランペットの祝祭

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"The Feast of Trumpets"  [作曲] F.マクベス (F. Mcbeth)  [編成] 吹奏楽  [演奏時間] 約6分  [最高音] ハイC  [出版] サザンミュージック  [楽譜入手先]  ミュージックエイト   今回は、トランペットという名を冠した吹奏楽作品の紹介です。 部屋を整理していたら古いカセットテープが出てきて1曲目に入っていました。 おそらく当時は、同作曲家の超有名曲である「マスク」目当てでダビングしていたものと思われ、タイトルを見てもピンとこないので聴いてみました。 なるほど、派手でトランペットもまあまあ活躍し冒頭にはハイCまで出てくるものでしたが、トランペットを冠するほどでもないのではないかと、少し調べてみたらわかりました。 「トランペットの祝祭(The Feast of Trumpets)」とは、ローシュ・ハッシャーナーというユダヤ暦の新年祭で、この祭りの旋律は、伝統的なショファール(ラムの角笛)の呼び声に基づいています。タイトルにある「トランペット」いわゆるトランペットを指しているわけではなく、ホーン(角笛)のことで「トランペット」というタイトルは、聖書(ジェームズ王訳)がラムの角笛をトランペットと表現したことに由来しているようです。 ショファール(ラムの角笛)はツィンクなど似た角笛でトランペットいうよりホルンに似た音です。 [ショファール(ラムの角笛)の音色] 実際にこの曲もトランペットよりもホルンの方が活躍しているようにも思えます。 この祭りを題材にマクベスが吹奏楽作品にしたものがこの作品ということになります。 [トランペットの祝祭] 調べてみたらあまりトランペットに関係ないという結果でしたが、トランペット雑学として取り上げました。

9本のトランペットのためのファンファーレ

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"Fanfare for 9 Trumpets"  [作曲] 岩田恵子 (IWATA, Keiko)  [編成] トランペット9重奏  [演奏時間] 1:10  [グレード] 4  [最高音] ハイC  [出版] ネクサス音楽出版  [楽譜入手先]  ネクサス音楽出版   最近(2023年5)出版されたトランペットアンサンブルを発見したのでご紹介します。 トランペット奏者で作編曲家の岩田恵子さんの9本のトランペットのためのファンファーレです。 少しゆったりしたテンポのファンファーレが3本×3本の編成で折り重なり、その冒頭のモチーフを引き継いだ形でさわやかで軽快な主部が始まります。重なるベルトーンが面白い作品です。 最高音はハイCまでありグレードも4とそう簡単ではないと思いますが、短くてオープニングにピッタリで挑戦しがいのある作品です。

トランペット7重奏のための五つの組曲

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"5 Suites for Seven Trumpets"  [作曲] 福島 弘和  [編成] トランペット7重奏  [演奏時間] 12:00  [出版] 風の音ミュージックパブリッシング合同会  [楽譜入手先]  フォスターミュージック   吹奏楽で数多くの名作を生み出している福島 弘和氏オリジナルのトランペットアンサンブル作品です。 以下、5つの曲からなり、ジャズっぽい二つのスケルツォが印象的な作品です。  I. Fanfare  II. Scherzo I  III. Lullaby  IV. Scherzo II  V. Finale - Rondo 全体で10分を超える大作で聴きごたえ十分ですが、演奏難度もかなりのもので、補佐的な意味でピッコロ持ち替えの指定があるとのことです。 著名な作曲家がトランペットのためにオリジナルのすばらしい曲を作曲してくれることはとてもありがたいことですね。(もう少し簡単にしてもらえるとなお嬉しい。。。)

シンフォニエッタ

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"Sinfonietta"  [作曲] L.ヤナーチェク(L. Janácek)  [編成] トランペット9重奏  [最高音] H  [楽譜入手先]  IMSLP    オーケストラでは通常トランペットは2または3パートで同じパートを複数人で演奏することはありません。ですので吹奏楽のようにトランペットがずらりと並ぶことはあまりないのですが、今回紹介するシンフォニエッタは違います。 曲の冒頭のファンファーレは、ステージ外でトランペット9本!バストランペットの含めると11本です。 このファンファーレは曲の最後にも登場しますが、ここでは別の動きですが、ステージ上のトランペット3本も加わり全14本!!なんとも圧巻の光景です。 ヤナーチェクは グラゴル・ミサ では死亡曲として紹介しましたがこの曲もなかなかのものですね。一瞬ですがHの音が何度も出てくるは、7番トランペットでも上のAb,Fの繰り返し。短いとは言え2分は吹きっぱなし。死にます😭 ファンファーレとは言うものの少し遅めのテンポでどことなく東洋的な雰囲気が漂う民族的な曲です。 村上春樹氏の1Q84に登場して有名になりましたが、その前から吹奏楽でも編曲されコンクールなどでも演奏されていました。 ↓こちら譜面付きの動画です。

三本のトランペットのための組曲

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"Suite for Three Trumpets"  [作曲] D. ウーバー(David Uber)  [編成] トランペット3重奏  [演奏時間] 5:00  [グレード] 2.5   [出版] Kendor Music  [楽譜入手先]  ミュージックエイト    ブレーン アメリカの作曲家、ウーバーの組曲です。 グレード2.5と初級者でも演奏できそうなレベルの以下の易しい4曲で組曲となっています。 The Angelus (鐘) Festival (祭り) Dream Intermezzo (夢の間奏曲) Finale- Dance (終曲‐踊り) 簡単な曲ではありますが、どの曲もとても魅力的で 第1曲は題名の通り学校のチャイムのような金管楽器お得意技のベルトーンで始まります。 第3曲は時折現れる音のぶつかりのにじみが面白いです。 音域も高くなく、経験者は音楽に集中できる良曲だと思います。

グラゴル・ミサ

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"Glagolitic Mass"  [作曲] L. ヤナーチェク(Leoš Janáček)  [楽譜]  IMSLP(無料)  [最高音] ハイEb 金管、特にトランペットを演奏する上で避けて通れないバテ。このことを知ってか知らずか、トランペットを酷使する曲= 死亡曲 が数多あります。このような曲= 死亡曲 を紹介したいと思います。 このような曲は以前紹介している 暇曲 に比べ枚挙にいとまがありませんが、珍しいもの、あまり知られていないものを紹介できればと思います。 記念すべき最初の死亡曲は、ヤナーチェクのグラゴル・ミサです。 全8曲からなる大規模な曲です。 トランペットでヤナーチェクといえばトランペット12本必要とするシンフォニエッタでも華々しいファンファーレが登場しますが、この曲もかなりの酷使ぶりです。 全8曲の最終曲では、シンフォニエッタにも通じる東洋的な雰囲気のある下降形のモチーフが徐々に音程が上がっていき、なんと最高音ハイEbまで上がります。 クラシック音楽では異例ともいえる高音でマーラーにもハイEbは登場しますが、あちらは木管が重なっているので出なくても、ラッパ奏者以外は気にしませんが(笑)こちらはこの部分はホルン・トランペット・ティンパニしか鳴っておらず、同じ音はほかにオクターブ下のホルンしかいないのでガチで当てなかればなりません(汗) (in FのシbなのでハイEbです) 死亡している暇もなくその直後に登場する目を疑う譜面がこれです。 テンポ自体は3/2拍子のゆったりとしたテンポ(マエストーソ 2分音符=88)なのですが、拍の頭に休符がある6連符でかなりの速さになります。しかも音が上がっている! 実は、この曲を知ったのは日本でもトップクラスの某オーケストラがやっていたからなのですが、あの人たちがしゃかりきになって、演奏できているか若干あやしい状態になっていたためです😏 アマチュアではほぼ演奏不能、まさに死亡曲です。 譜面付き動画もありました↓

G線上のアリア

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"Aria on the G String"  [作曲] J.S. バッハ(J.S. Bach)  [編成] トランペット2~4重奏  [演奏時間] 3:00  [最高音] F   [出版] KohZimmer2  [楽譜入手先]  Box  (無料配布中) バッハのG線上のアリアをトランペットアンサンブルにしました。 2~4重奏で演奏可能です。 クラシックの不朽の名曲、独奏バイオリンのための「G線上のアリア」として有名なこの曲はもともと弦楽合奏のために書かれた管弦楽組曲第3番の第2曲です。 弦楽器の空気感・透明感が美しい穏やかなメロディーをいかにトランペットアンサンブルとして成り立たせるか苦労しました。 原曲の譜面にはスラーはあまりなく、ベースラインもピチカートで演奏されることが多いですが、楽器の特性上、輪郭のはっきりしているトランペットではあえてスラーにしています。 こうすることでオルガンのような原曲とはまた少し違った魅力を引き出すことができました。 オクターブの跳躍が多いことを除いて、楽譜自体の難しさはさほどありませんが、この有名な曲を聴かせる演奏にするにはかなりの技術・表現力が必要で初級者から上級者まで楽しめる曲です。 3番・4番パートはオプションとなっていますので、最小2人から演奏できます。 やわらかい音色を求める場合、コルネットやフリューゲルホルンで演奏すると効果的です。 現在、PDF楽譜を無料ダウンロード配布中ですので是非ご活用ください。 演奏動画をUpしてもらえると嬉しいです。 KohZimmer2編曲作品 (trumpet.fun)

ギャロウグラス

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 "Gallowglass"  [作曲] C.マーティン(Casey Martin)  [編成] トランペット六重奏  [演奏時間] 約8分 先日お伝えした、NTC(全米トランペット選手権)の高校の部で1位を受賞したATX トランペット・アンサンブルが演奏した曲、「ギャロウグラス」を紹介します。 全編通じて、さすらうようなシリアスな曲調のかっこいい曲です。三部形式で冒頭は6/8拍子で疾走感のあるテーマです。中間部はゆっくりとしたテンポでカップミュート・ストレートミュートを付けたトランペットの漂うような伴奏を伴ってフリューゲルホルンが悲しげな旋律を歌い上げます。再び冒頭の6/8のテーマに戻り、一度、G.P.(全終止)のあと再びテーマの断片で曲が終結します。 C.マーティン氏は自身もNTCで入賞した経験を持つトランぺッターで何度かNTCのために委嘱され作曲しているようです。 この曲についての出版や作曲の背景について言及がなくタイトルのGallowglass(ギャロウグラス/ギャローグラス)は、中世の傭兵の階級らしいですが、絞首台などの意味もあるようです。曲調からして中世の傭兵の方ではないかと思いますがよくわかりません。 ぜひとも出版してほしいものです。

NTC 全米トランペット選手権 2023

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今年もNTCが開催されました。 今回は、コロラド大学ボルダー校が会場で3/25-27の3日間に渡り、公開レッスンやソロ部門、アンサンブル部門のコンテストが行われたようです。 結果はまだ掲載されていないようですが、動画の最後に結果発表もありましたのでお知らせします。また、 こちら に今回のファイナリストのプログラムが掲載されています。 やはり昨今のトランペットアンサンブルではエリック・モラレスの作品が多いようです。なんと77団体中20団体!エワイゼンも5団体と大アンサンブル部門で多く見られました。 トランペットアンサンブルの定番プログの組曲もありました。 高校生の部で優勝したATX トランペット・アンサンブルが演奏したマーティン作曲のギャロウグラスが新しい作品として印象的でした。 高校生の部 HICH SCHOOL ENSEMBLE DIVISION 1位 ATX トランペット・アンサンブル 6重奏 ATX Trumpet Ensemlbe     ギャロウグラス (マーティン作曲)      Gallowglass   Casey Martin   2位 セーラム・トランペット・アンサンブル 5重奏 Salem Ensemble      サイクロン (モラレス作曲)      Cyclone   Erik Morales  3位 オースティン・ユース・トランペット・アンサンブル 6重奏 Austin Youth Ensemble       6本のトランペットのため組曲 (プログ作曲)      Suite for 6 Trumpets     Anthony Plog  小アンサンブル部門 SMALL TRUMPET ENSEMBLE DIVISION 1位 南カリフォルニア大学 5重奏 University of Southern California     シティ・スケープ(モラレス作曲)     Cityscapes    Erik Morales  2位 コロラド大学ボルダー校 5重奏 University of Colorado Boulder     ローエングリンより騎士の行進(ワーグナー作曲/ガードナー編曲)         Reitermärsch from Lohengrin Richard Wagner/Ryan Gardner  3位 

果てしない上昇

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"Infinite Ascent"  [作曲] E. モラレス(E. Morales)  [編成] トランペット八重奏  [演奏時間] 約7分  [楽譜]  アカデミアミュージック  [グレード] 5   [最高音] ハイB トランペットアンサンブルを数多く発表しているモラレス氏の作品を紹介します。 この曲はカンザス州立大学の音楽学部の委嘱により作曲され、タイトルは人気の子供向け書籍からとられているそうです。 冒頭美しいコラールで始まります。きれいな和音に時おり混ざる不協和音が夜明け時の太陽と空のにじみのようでなんとも心地いいです。 中間部テンポが速くなりしっかりとした刻みに中に明るく推進力のあるメロディーが展開されます。 最後、冒頭のコラールの再現が登場し再びアップテンポの旋律となり曲が終結します。 冒頭の和音の音程はもちろん、上昇・下降の細かいスケールなどグレードは5ですのでそれなりの技術力が求められます。 モラレス氏の作品はもともとグレードが高いものが多いのでその中では易しくとっつきやすい方かもしれません。

The Fairest of Roses ー 美しきバラ

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"The Fairest of Roses"  [作曲] F. メーグル(Frederik Magle)  [編成] トランペット二重奏+オルガン  [演奏時間] 約5分  [楽譜]  Amazon(JP)  [最高音]ハイH デンマークのピアニスト、オルガニストのF.  メーグルが作曲した2本のトランペットとオルガンのための作品です。 クリスマスの讃美歌「 Now Found Is The Fairest of Roses」を基にしており、 オルガンを伴ったとても厳かで美しいものです。 古典的な旋律の中にも後半の劇的な転調が現代風なセンスを感じます。 作曲者のメーグルの音楽歴は輝かしいものでデンマーク王立音楽アカデミーに1年早く入学を許され作曲・オルガンを学んだようです。 特に管楽器など専攻は触れられていませんが、作品リストを見るとトランペットや金管楽器のための作品が多く今後も注目していきたい作曲家です。

アリ・ボンバイエ

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”ALI BOM-BA-YE”  [作曲] マイケル・マッサー(Michael Masser) この曲を聴くと多くの人はアントニオ猪木さんのテーマと思うかもしれません。 実は、モハメド・アリの伝記映画『アリ/ザ・グレーテスト』(1977)の挿入曲で、猪木と対戦したアリから猪木に贈られた( wiki より)そうです。   「ボンバイエ」はリンガラ語の「Boma ye」(ボマ・イェ)が訛ったもので、直訳は「彼を殺せ」ですが、「やっちまえ」程度の意味で使われる言葉だそうです。 同時期に公開された映画「ロッキー」(1976)もやはりトランペットの活躍するボクシングの映画です。 プロレスや格闘家の入場ではトランペットが活躍する曲が多いように思います。 どちらも短調でトランペットが旋律を奏でるもので、哀愁を帯びた短調の曲の中にも強さを感じるところがその理由かもしれません。 こちらが「Inoki Bom-Ba-Ye」 基本的に同じですが、トランペットのオクターブ上の音やフルートなどのアレンジが入っています。

4つの交響的間奏曲~歌劇「インテルメッツォ」

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"Vier sinfonische Zwischenspiele aus Intermezzo, TrV 246a"  [作曲] R. シュトラウス(R. Strauss)  [編成] トランペット・ソロ  [演奏時間] 約45秒  [楽譜]  IMSLP(無料) Act1 P.98  [最高音]ハイC R.シュトラウスの歌劇「インテルメッツォ」から4つの交響的間奏曲をご紹介します。 もとの歌劇の器楽のみの演奏箇所を4つ抜き出して演奏会用にしたもので、その中の1曲目の「旅行前の興奮とワルツの情景」の4分ほどしたところからゆったりとした三拍子で堂々とトランペットがソロを歌い上げます。 リヒャルト・シュトラウスというと交響詩「ドンファン」、「ツァラトゥストラはこう語った」やアルプス交響曲など多作かつ名作がおおくその中からすると少しマイナーな曲ですが、ばらの騎士のように華やかなワルツを含む名作です。 歌劇の内容としては夫婦のいざこざと仲直りという他愛のないものですが、家族を大切にしているシュトラウスの一面が垣間見えます。 ボストン交響楽団のこの演奏がとても張りのある美しい音だったので取り上げました。 おそらく主席のトーマス・ロルフス氏の演奏と思われます。最高音のハイCも余裕の響きです。 演奏難度はハイCのハイトーンまでしっかり出れば難しくない(ハイCが難しい?)のですが、リヒャルトシュトラウスらしからぬ単純な音型で普通吹いてもなんかダサい(?)ここまでの演奏はなかなかできないですね。とても素晴らしいですね。 第2曲「暖炉のほとりで夢想」でも朗々したメロディがあります。こちらも素晴らしい。」

ファンファーレ(行進曲)

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"Marches"  [作曲] J.D. ゼレンカ(Jan Dismas Zelenka)  [編成] トランペット四重奏  [演奏時間] 約8分  [楽譜]  IMSLP(無料)  [最高音]ハイC 時代を遡ってバロック時代のトランペットアンサンブルの紹介です。 チェコ出身でドイツで活躍したゼレンカの6つの行進曲(ZWV 212)です。 この人、あのバッハにも一目おかれていたようでいろいろな音楽を作曲していたようです。 題名がファンファーレとなっているものもあるようです。 全部で6曲あります。 動画を検索してみると3曲を抜き出して3つのファンファーレ(行進曲)などとなっている場合が多く、1曲目は有名なようでどれもこの曲が登場します。 残りはII、VIやV、VIとなっていて、III、IVは見つかりませんでした。 譜面をみてみると、この当時本当に吹けてたの?と思えるくらい高音で細かい音符が多いです。 ティンパニと一緒に演奏する部分は勇ましく、16分音符を伴った動きは華やかで、そのエコーのような効果の繰り返しは気品があります。 I,V,VI I,II,VI アメリカ陸軍の演奏です。(こんなこともしてるんだ) こちらはバロックトランペットを使用しているので当時の雰囲気がわかると思います。 ピッコロを使わないためあまりキンキンしないのと、キーを使用しているため音ムラがありますが、いい味わいが出ていると思います。

スタートレックのテーマ(アメリカ横断ウルトラクイズのテーマ)

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"Theme From Star Trek"  [作曲] アレクサンダー・カレッジ(Alexander Courage)  [編曲] ジェイ・チャタウェイ(Jay Chattaway)  [編成] トランペット・ソロ  [演奏時間] 約6分半  [最高音] ダブルハイB 昭和世代にはおなじみ、アメリカ横断ウルトラクイズで使用された曲です。 なんとも浮遊感と推進力のある曲です。 カナダ出身のジャズトランペット奏者でハイノートヒッターとして知られる メイナード・ファーガソン のアルバム「征服者~ロッキーのテーマ」に収められています。 最初のテーマこそ普通(十分高い?)ですが、そのあとテーマのオブリガートから少しかまして、クレイジーなフルートソロがあり、もとのテーマを演奏しますが、2回目でなんとオクターブ上で演奏します。 おそらくダブルハイB?まで出していると思われます。とんでもない音域です。 普段ハイBでヒーヒー言っているのが恥ずかしくなるくらいです。 何気に伴奏のトランペットもハイトーンバリバリで中間部のフルートソロもなかなかのものです。声も出しながら演奏してる? 昨年から フルートもときどき演奏し ていて耳を奪われてしましました。 この曲はもともとアメリカのSFドラマ「スタートレック」のオープニングテーマです。 (人間と宇宙人のハーフのため)顔色が悪くて前髪が一直線のスポックという登場人物で有名です。 最近もリメイクの映画版が上映されましたが大元は1966年のアメリカで放送されました。 実は私はトレッカー(スタートレックのファン)でオリジナルのオープニングテーマもレトロ感がありわくわくする感じが好きです。

フライデーナイト・ファンタジー(「金曜ロードショー」テーマ曲)

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"Cris D'amour"  [作曲] ピエール・ポルト(Pierre Porte)  [編成] トランペット・ソロ  [演奏時間] 約3分半  [最高音] G 昭和世代にはおなじみの金曜ロードショーのテーマです。 初代オープニングと使用され、1985年10月4日 から 1997年3月28日 まで使用されたようです。(出典: wiki ) 曲名はズバリ、「フライデーナイト・ファンタジー」。 作曲はフランス人作曲家でピアニストのピエール・ポルトです。原題はフランス語のCris D'amour(=愛の叫び)です。 金曜ロードショーに使用するために作曲を依頼したそうですが、日本語タイトルとしてフライデーナイト・ファンタジーとしていると思われます。 どうしてもトランペットに耳に行きますが、ピアニストによる作曲で自身が率いるオケで自身によるソロでレコーディングもしているということでピアノもなかなかの活躍ぶりですね。 googleやYoutubeなどない時代、演奏したくても曲名も調べられず、適当に耳コピして、後半はわからないので勝手に作曲して終わらせていた記憶があります😚 難度自体は最高音Gで速いパッセージもないのでそれほどないですが、やはりあの雰囲気が出せるかですね。なんせ原題が愛の叫びですから。 これが初代の金曜ロードショーのオープニングバージョンです。ソロは数原晋さんです。 こちらがオリジナル版。作曲者自身のピアノと自身が率いるピエール・ポルテ・オーケストラ、トランペットソロはドミニク・デラッスの演奏です。 3分半ほどあり冒頭は同じですが、開始30秒あたりで耳慣れない跳躍となりますが、もう一度テーマが開始されます。金曜ロードショーでは冒頭とこの部分からのカットだったのですね。 令和の復刻版です。 譜面を掲載してくれている動画がありました。

LITTLE SUITE

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"LITTLE SUITE"  [作曲] 小山良子(Ryoko Oyama)  [編成] トランペット三重奏  [演奏時間] 約6分  [楽譜]  Golden Hearts Publications トランペット奏者の小山良子氏の作品です。 ファンファーレと抒情的なメロディが美しい1楽章 穏やかなワルツ風な2楽章 躍動感ある短い3楽章 からなる3楽章構成の小品です。 ご自身がトランペット奏者ということもありトランペットの特徴・魅力を存分に引き出している作品です。 三重奏以外にもトランペットアンサンブルの作品を作曲されているようですので紹介していきたいと思います。