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リンキング/トランペットソロ

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"linking for solo turmpet"  [作曲] 藤倉 大  [編成] トランペットソロ  [演奏時間] 3分  [最高音] ハイC#  [出版] RICORDI  [楽譜入手先]  プレスト・ミュージック 藤倉氏は日本の現代音楽の作曲家です。海外で活躍されており近年日本でも評価され数々の賞を受賞しています。 映画「蜜蜂と遠雷」の劇中音楽も担当されています。 この曲は終始ハーマン・ミュートをつけた状態で演奏します。 「できる限り早くハーマン・ミュートの開閉を行うように」「トレモロの組み合わせを繰り返しながら短くしていく」等、楽譜に多くの指示があります。 想像しただけでも痙攣しそうですが、聴いてみるとシンセサイザーのような不思議な音がしています。知らない人が聞いたらコンピューター音楽かと思うでしょう。 非常に面白い試みでアコースティックの楽器でこんな音が出るものかと感心しました。 トランペットの音・音楽はこうだという固定概念を覆してくれる作品です。 ソロに限らずオーケストラや吹奏楽でも効果に使用すると面白いと感じました。 難度ですが、ハーマン・ミュートの開閉によるトレモロをするという普段あまりしない動作に加え、ピストンによるトリルもあり、最高音ハイC#でもトレモロしなければならないという神業レベルと考えられますが、仮に外したり音程があやしくても、うまくトレモロが作れていればそれなりの雰囲気は出るのではないかと思ったりもします。 藤倉氏はトランペットのほかにも管楽器のためのソロを書いているようで、ファゴットソロのためのCallingという作品もあり、こちらもかなり前衛的なものとなっています。