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交響曲第1番より/トランペット三重奏

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  "Symphony No.1"  [作曲] A. カゼッラ (A. Casella)  [編成] トランペット3重奏  [演奏時間] 約1分(第3楽章の一部)  [最高音]  A  [楽譜入手先]  国際楽譜ライブラリ(無料)  (p.93) 今回はオーケストラ曲中のトランペットアンサンブル紹介します。 イタリアの作曲家、アルフレード・カゼッラの交響曲第1番の第三楽章の途中に現れる美しく寂しげな3重奏です。トロンボーンに導かれ、ホルンとティンパニともに始まりますが4小節でトランペット3本のみのソリとなります。途中ホルンが一瞬入りますが、1分弱トランペットの独壇場となります。 ポコ・マルカート、アクセントの指示はありますが p で 開始され、 mf  の部分はエスプレッシーボで歌い上げます。1拍目のリズムが変化していき再びホルン・ティンパニが加わり、三連を伴いリズミカルに強くなりテュッティに戻ります。 交響曲でこれだけ長いトランペットのみのソリ、しかもファンファーレのような派手系ではなく、しっかりと歌い上げ聴かせるものはなかなか珍しいのではないでしょうか? ゆっくりとしたテンポなので譜面自体はそれほど難しくありませんが、in Fで書かれているため最高音はAとなり、しっかりとしたロングトーンができないと曲にならないでしょう。 演奏される機会も少なくCDもあまりない曲ですが、トランペットの活躍する曲として紹介しました。 (29:10付近からがトランペットソリです)

ボギー大佐/トランペット二~六重奏

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 "Colonel Bogey March"  [作曲] J.K. アルフォード (J.K. Alford)  [編成] トランペット2~6重奏  [演奏時間] 3分  [最高音]  G   [出版] kz2 publishing  [楽譜入手先]  piascore   行進曲「ボギー大佐」をトランペットアンサンブルに編曲しました。 2本~6本の柔軟な人数で演奏できるフレキシブルトランペットアンサンブルです。 ・演奏時間 約3分 ・原調より2度上 誰もが一度は耳にしたことがあろう有名な行進曲で、映画『戦場にかける橋』のテーマ音楽としても使用されています。 明るく耳に残る旋律はもちろん、オブリガートが美しく、トリオの 小気味良いスタッカートの主旋律とは対照的に半音階を伴う浮遊するようなオブリガートは秀逸です。 実は、このオブリガートがやってみたくて編曲したようなものです。 普段トランペットではあまり演奏することのないオブリガートをご堪能下さい。 in Bbの譜面ですのでクラリネットアンサンブルとしてもお楽しみいただけます。

X1/トランペット五重奏

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"X1"  [作曲] エリック モラレス(Erik Morales)  [編成] トランペット5重奏  [演奏時間] 7分  [最高音] ハイC  [出版] Morales Music  [楽譜入手先]  アカデミアミュージック トランペットアンサンブルの作品を多数発表している、アメリカの作曲者、エリック・モラレス氏の作品です。 この作品は世界で初めて水平飛行で音速を突破した有人航空機”X1”の物語を音楽にしたものだそうです。 元々アクロバティックな作風の氏の作品ですがこの作品も例にもれず嵐のような目まぐるしい曲です。 中間部一時的に落ち着いた部分がありますが、全体的にシリアスでテンポが速く緊張感のある曲調です。半音で駆け上がる部分が多くあり印象的です。 足踏みなどモラレス氏の他の曲でもいろいろな試みをされていますが、この曲でも楽器なしで口で”シュー”と風の音のような表現をする箇所もあり飽きさせない工夫が見られます。 難度ですが、あまり音は高くないですが、速いリズムを確実に合わせる必要があり、難度は大学中級からプロレベルとされています。 ただし、モラレス作品の中では比較的簡単?で挑戦しやすい方かもしれません。 ↓こちらの演奏はおそらくDTMで作成されたものと思われます。(気持ち悪いほど半音階のスケールが合っている)

目覚めよと呼ぶ声あり/トランペット三重奏

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"Sleepers, Awake BWV645"  [作曲] J.S. バッハ (J. S. Bach)  [編成] トランペット3重奏  [演奏時間] 3分半  [最高音]  G  (オクターブ上のオプションを演奏しない場合 ソ(F))  [出版] kz2 publishing  [楽譜入手先]  Amazon Kindle版   mucome バッハの目覚めよと呼ぶ声ありをトランペット三重奏に編曲しました。 目覚めよと呼びわたる物見の声 とも言われる、カンタータとして作曲されのちに作曲者によりオルガンのコラールにも編曲された名曲です。 簡単な譜面の割にはフーガ的な要素もあり複雑な響きに聞こえ展開して短調になる部分は非常に聴かせかせどころでもあり難所でもあります。 譜面は易しいですが聴かせる演奏は非常に難しいです。 卒業・入学シーズンに良さそうな曲です。 新型コロナウィルス拡散防止のため三密を避ける生活が続いており、吹奏楽やオーケストラでも合奏ができない状況が続いていると思います。 速め・激しめが多いトランペットアンサンブルが多い中、穏やかで癒し要素の多い曲調は、そんな状況にピッタリの作品だと思います。

亜麻色の髪の乙女/トランペット八重奏

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The Girl With The Flaxen Hair   [作曲] C. ドビュッシー (Claude Debussy)  [編曲] D. マーラット(David Marlatt)  [編成] トランペット8重奏(+トライアングル、ベル、サスペンドシンバル)  [演奏時間] 2分  [調性] 原調通り  [出版] EIGHTH NOTE PUBLICATIONS  [楽譜入手先]  Wind Music Sales  [サンプル楽譜]  サンプル 今回紹介するのは有名なドビュッシーの亜麻色の髪の乙女です。 ピアノの名曲をトランペットアンサンブルに編曲したものです。 以前もドビュッシーの 牧神の午後への前奏曲 を紹介しましたが、印象派の静かな曲というのは意外とトランペットアンサンブルにしても遜色なく聴ける気がします。(演奏者によるところは大きいでしょうが。) 調も原調通りとなっており移調による違和感もありません。 この編曲はトランペットや金管のアンサンブルを数多く手掛けるD.マーラット氏によるもので、トランペットの国際的な祭典、ITG(インターナショナル・トランペット・ギルド)の2005年大会で初演されたもののようです。 スコアでは、1本のピッコロトランペット、3本のトランペット、4本のフリューゲルホルン、下記の動画では使用されていませんが、トライアングル、ベル、サスペンドシンバルの金物パーカッションパートとなっています。 難度ですが、スコアには中級~上級とあります。ピッコロ吹きさえ何とかなればそれなりになりそうです。

孤独への祈り/トランペット1~9重奏

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Prayer for the Isolated  [作曲] B. ディックス (Brandon Dicks)  [編成] トランペット1~9重奏  [演奏時間] 5分  [出版] BDicksMusic  [楽譜入手先]  BDicksMusic 新型コロナウィルスの影響で東京オリンピックをはじめ様々なイベントが中止されていますが、とうとう吹奏楽コンクールまでもが中止となりました。 吹奏楽というものが3密の最たるものである以上致し方がないと思います。 早く収束することを願うばかりです。 この思いは、世界共通で、様々な著名人が遠隔でコラボレーション動画を配信しています。 今日紹介するのはトランペット奏者で作曲家のディックス氏によるトランペットアンサンブルの作品です。 現在の状況が早く改善するように祈りを込めたものです。 面白いのは1分程度の1つのメロディーにさまざまなメロディーが重なっていく点です。 最初のメロディーの奏者は5回同じことを繰り返します。 作者のページにメロディはラフマニノフ、ワーグナー、ドヴォルザークなどロマン派の作曲家からインスピレーションを得たと書かれているように、最初の旋律はロマンティックでありながらどこかドボルザークの泥臭さも匂わせるで、それぞれのメロディーも歌心あふれる旋律なのですが重なっていくにつれて何とも不思議な感覚になります。 どこか悲し気でタイトルの通り祈りの雰囲気もある素敵な作品です。 難度は、メロディーの譜面からもわかると思いますがスラ―での跳躍もあり、ピッコロトランペットのパートは最後ハイEまで上がるため非常に高いと思います。 これを機会に仲間とテレワークでアンサンブルでもいかがでしょうか?

二つの祝賀ファンファーレ/トランペット六重奏

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2 Celebratory Fanfares   [作曲] D. ズバイ (David Dzubay)  [編成] トランペット6重奏  [演奏時間] 1分半、1分  [出版] Pro Nova Music  [楽譜入手先]  アカデミアミュージック 不協和音が多く使われていますが躍動的で何か新しいことを期待させる不思議な2つの短いファンファーレです。 テンポも速く、高音も多用されており非常に難度が高い曲ですがとてもかっこよく挑戦しがいのある曲です。 No.1 No.2

ファンファーレ/トランペット四重奏

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Fanfare for an Exhibition  [作曲] A. ドヴォルザーク (Antonín Dvořák)  [編成] トランペット4重奏 + ティンパニ  [演奏時間] 2分半  [最高音] G  [出版] Virgo music、Charles Decker Music Press など  [楽譜入手先] アカデミアミュージック   Hickey's Music Center   sheetmusicplus 誰もが知る、交響曲第9番「新世界より」の作曲者、A.ドヴォルザークの書いたトランペットのための音楽です。 1891年に100周年を迎えた展覧会の開幕ファンファーレとして作曲されたようです。 C管ナチュラルトランペットとティンパニの編成で当時としても伝統的なスタイルのファンファーレをイメージしているようです。 祝祭にふさわしく華やかで力強いファンファーレです。 同じことを2回繰り返して2分半ですので1回だと約1分強です。 難度はそれほど高くないようにです。 ドヴォルザークらしいところが特にないのが残念ではありますが、有名作曲家のトランペット作品ということで紹介させていただきました。

はぐれ刑事 純情派 オープニングテーマ/トランペット・ソロ

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"Opening theme song ~ Hagure keiji junjoha"  [作曲] 甲斐正人(Kai, Masato)  [編成] トランペットソロ  [演奏時間] 1分  [最高音] ハイF 少し古いですが、はぐれ刑事 純情派のオープニングテーマです。 最高音ハイF!です。 ハイトーンを志すトランペット奏者は一度は憧れ、挑戦し、挫折?してみたことはあるはずです。 刑事ものでトランペットハイトーンといえばこの曲と、さらに古いですが、大都会 PARTIII。 この2作で刑事もの=トランペットのハイトーンというイメージが出来上がってしまっているように思えます。 1分以下の短いテーマですが、力強くもさすらうような哀愁を帯びた旋律が印象的です。 このテーマを演奏するのは日本を代表するトランペット奏者の数原晋さんです。 この名前に憶えのない方も、ラピュタのパズーのトランペットや金曜ロードショーのオープニングテーマであるフライデー・ナイト・ファンタジー、その他、ルパン三世など多数のレコーディングに参加されており、だれもが一度は耳にしているはずです。 難度は言うまでもなく相当に高く、ハイFを出すだけでも相当大変でここまで歌い上げるのは神業レベルです。

リンキング/トランペットソロ

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"linking for solo turmpet"  [作曲] 藤倉 大  [編成] トランペットソロ  [演奏時間] 3分  [最高音] ハイC#  [出版] RICORDI  [楽譜入手先]  プレスト・ミュージック 藤倉氏は日本の現代音楽の作曲家です。海外で活躍されており近年日本でも評価され数々の賞を受賞しています。 映画「蜜蜂と遠雷」の劇中音楽も担当されています。 この曲は終始ハーマン・ミュートをつけた状態で演奏します。 「できる限り早くハーマン・ミュートの開閉を行うように」「トレモロの組み合わせを繰り返しながら短くしていく」等、楽譜に多くの指示があります。 想像しただけでも痙攣しそうですが、聴いてみるとシンセサイザーのような不思議な音がしています。知らない人が聞いたらコンピューター音楽かと思うでしょう。 非常に面白い試みでアコースティックの楽器でこんな音が出るものかと感心しました。 トランペットの音・音楽はこうだという固定概念を覆してくれる作品です。 ソロに限らずオーケストラや吹奏楽でも効果に使用すると面白いと感じました。 難度ですが、ハーマン・ミュートの開閉によるトレモロをするという普段あまりしない動作に加え、ピストンによるトリルもあり、最高音ハイC#でもトレモロしなければならないという神業レベルと考えられますが、仮に外したり音程があやしくても、うまくトレモロが作れていればそれなりの雰囲気は出るのではないかと思ったりもします。 藤倉氏はトランペットのほかにも管楽器のためのソロを書いているようで、ファゴットソロのためのCallingという作品もあり、こちらもかなり前衛的なものとなっています。