交響曲第1番

"Symphony No.1, D.82"

 [作曲] F.シューベルト(F. Schubert)
 [編成] 管弦楽
 [演奏時間] 約30分
 [最高音] ハイD
 [楽譜入手先] IMSLP(無料) 

金管、特にトランペットを演奏する上で避けて通れないバテ。このことを知ってか知らずか、トランペットを酷使する曲=死亡曲が数多あります。このような曲=死亡曲を紹介したいと思います。
このような曲は以前紹介している暇曲に比べ枚挙にいとまがありませんが、珍しいもの、あまり知られていないものを紹介できればと思います。

今回はあまり死亡曲として知られていないと思いますが、あの有名なシューベルトの無名な交響曲第1番です。
シューベルト若干16歳の時の作品です。
普通に聴くには特段変わった曲ではないのですが、われわれトランペット奏者にとっては異常とも言える作品。
いきなり冒頭からドミソドと上第2線上のド。しかもin Dです。つまりハイD😱
1楽章だけで13回、2楽章休み、3楽章なし、4楽章18回!
1,4楽章と割と早めのテンポではありますが、それでも連発しすぎ。しかもリヒャルトシュトラウスのようにいわゆるキメという感じでもなく普通に😝

バッハやテレマンなどにみられるように、ギルドという組織で門外不出の技術として高音を操るクラリーノ奏法のバロック時代が終わりピストンのようなヴァルヴが発明される19世紀までトランペットの氷河時代。
シューベルトもこの時代の作曲家で、自然倍音で演奏できるドミソ(たまにレ)の楽譜が基本ですが、希望に満ちた前途洋々若干16歳のシューベルトは、ドミソが出るならこのドも出るっしょ!ってことで作曲したんでしょうね。(あくまで想像です)
バロックの時代ならいざ知らず、この時代はだいたい12倍音(ソ)ぐらいまでが一般的だと思います。

この音域での使用に失望したのか、にラッパ奏者からクレームが来たのかはわかりませんが、それ以降の交響曲では高くても第13倍音(記譜のラ)までのようです。
シューベルトの交響曲でよく演奏されるのは未完成交響曲、グレート、悲劇的なのであえて第1番を演奏することはないと思いますが、ほかのパートは特に難しいところはないようなのでもしかするとアマチュアのオケで候補になることがあるかもしれませんが、くれぐれもトランペットが外しても文句言わないようにお願いします🙇

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