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4本のトランペットのためのファンファーレ

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"Fanfare for 4 Trumpets"  [作曲] G. バントック(Granville Bantock)  [編成] トランペット4重奏  [演奏時間] 30秒  [最高音] G    [出版] グッドウィン・アンド・タブ社 (Goodwin & Tabb Ltd.)  [楽譜入手先]  IMSLP (無料) 30秒程度のとても短いファンファーレです。 1stは長さの変わるド・ソ・ド・ファの繰り返しのみですが、2nd~4thのマイナーコード・セブンスコードが加わることでとても深みのあるサウンドのファンファーレとなっています。 バントックというイギリスの作曲家の作品です。 よく知りませんでしたが、バーミンガム市交響楽団の設立にもかかわったようです。 なお、この作品は以前紹介した、 いつも片眼を開けて眠る見事に太った 猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ  同じく、1921年10月1日から1922年1月1日までグッドウィン・アンド・タブ社が7回発行した Fanfare [FAN] での中で発表されたもので、多くの作曲家がトランペットに限らずファンファーレを書いているようです。 サティのほかにも、ファリャやプーランクなど著名な作曲家も参加しています。

2本のトランペットの為の古典的協奏曲

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"Concertino Classico"  [作曲] ジョーゼフ・ホロヴィッツ(Joseph Horovitz)  [編成] トランペット二重奏(伴奏あり)  [演奏時間] 10分 (三楽章構成)  [最高音] ハイB  [楽譜入手先]  アカデミアミュージック   ブレーン   古典的なコンチェルティーノとも和訳されているこの曲は、金管奏者には有名なミュージック・ホール組曲で知られるJ.ホロヴィッツにより作曲されました。 1985年、バッハ、ヘンデル、スカルラッティの生誕300年(3人とも同級生?)を記念して作曲されました。ブラスバンドの伴奏の2本のトランペットソロのための曲でピアノ伴奏版、吹奏楽伴奏版、弦楽オーケストラ伴奏版などあるようです。 譜面付きの動画を見て頂ければわかると思いますが、あまり難しくないです。 ハイBを下に下げても問題なさそうですし、アマチュアでも演奏できそうなコンチェルトは少ないので非常にありがたいです。 <<第一楽章>> 快活で2本の掛け合いが楽しい <<第二楽章>> 悲し気な旋律が美しい <<第三楽章>> アレグロなのに上品さ・さわやかさ兼ね備える冒頭から最後に向け盛り上がっていきます この曲の作曲者ホロヴィッツ氏は2022年1月(95歳)永眠されました。 ご冥福をお祈りいたします。

交響詩「中央アジアの草原にて」

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 "In the Steppes of Central Asia"  [作曲] A. ボロディン(A. Borodin)  [出番] 283小節中25小節 普段、トランペットアンサンブルやトランペットが活躍する曲をご紹介していますが、反対に活躍しない曲= 暇曲 を紹介したいと思います。 オーケストラではトランペットやトロンボーンがない曲(いわゆる降り番)は珍しくないのですが、譜面にあるのにほとんど出番がない、または目立たない曲を 暇曲 と命名してご紹介します。 今回紹介するのはA.ボロディンの交響詩「中央アジアの草原にて」です。 すべて合わせても283小節中25小節です。トロンボーンやティンパニよりも少ないんです。 これで全部です。↓ 一部ハモリがありますが、2ndはほぼそのままオクターブ下です。 練習番号Dはホルンの静かなソロのあとのtuttiなのですが、わりと唐突な感じでがして入りにくいです。ここはffなのでまあ良いですが、Fの6小節目はpで上のF#(in Fの譜面です)の音なのでなかなか怖いです。 ボロディンといえばオーケストラや吹奏楽では歌劇「イーゴリ公」からダッタン人の踊りが有名で、派手なイメージがありますが、同オペラの序曲のホルンソロ(なかなか高音)やノクターンとして単楽章でも有名な弦楽四重奏第2番の第3楽章と思いをはせるような美しい旋律が得意なことががうかがえます。 この曲でも冒頭のクラリネットのソロ、東洋を感じさせるコーラングレのソロ、最後を締めくくるフルートのソロと美しいメロディーが味わえる名曲です。 暇曲に乗る際は、ほかのパートに耳を傾けてみてはどうでしょうか。(落ちないようにしてくださいね)