投稿

1月, 2024の投稿を表示しています

アイディア・ナンバー24

イメージ
"Idea Number Twenty-Four" for Trumpets  [作曲] T. エバーソン (Terry Everson)  [編成] トランペット5重奏  [演奏時間] 約8分  [楽譜]  アカデミアミュージック パガニーニの24の奇想曲から有名な第24曲が基となっています。 この曲はいわゆるパガニーニの主題と言われるもので、古今の作曲家が好んでテーマにしており、最も有名なものはラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲がありますが、吹奏楽でもJ.バーンズのパガニーニの主題による幻想変奏曲があります。 この主題にバルトーク、ミヨー、ルトワルスキー風なアレンジを加えた面白い曲です。 5本でのベルトーンやジャズ風なハイトーン、ダブルタンギングを必要とする早いパッセージなど超絶技巧盛りだくさんのアンサンブルです。 しかも5人ともうまくなくては成り立たない難曲です。 うまく演奏できるととてもカッコイイですがなかなか通すのも一苦労でしょう。 こちらは一人で多重録音したものです。 納得いくまで取り直しているのだと思いますが、縦がピッタリですね。すごい。

ブランデンブルク協奏曲第2番

イメージ
"Brandenburg Concerto No. 2"  [作曲] J.S バッハ(J.S. Bach)  [編成] トランペットソロ(古楽オーケストラ)  [演奏時間] 約11分  [最高音] ハイG  [楽譜] IMSLP(無料) バッハといえば、クラシック音楽に詳しくない人でも聞いたことがある有名な作曲家ですが、トランペットのためにも作品を残しています。 名曲かつ大作曲家の作品ということもあり有名なことから名手による録音もいくつもあります。 素晴らしい作品でなのですが難点が一つ。音が高すぎ! 最高音は記譜上では上のレですが、in Fのため実音はハイG😬となります。トランペット奏者には鬼門の曲のひとつでしょう。 トランペット以外にも管楽器はソリスト級の演奏技術が必要なためアマチュアで演奏することは少ないと思いますが、元々古楽器オーケストラのための作品であり編成も異なるためプロでもなかなか手が出ない曲でもあります。 こちらは、モダン楽器のピッコロトランペットでの演奏です。キラキラしてとても輝かしい印象です。 こちらがバロックトランペットでの演奏です。ピッコロに比べてどっしりとして落ち着いた印象です。音程がとりにくいため輪郭が少しぼやけます。 補正孔という木管楽器のように管の途中に穴をあけて開閉によって音程を調整するようですが、基本的には自然倍音で演奏します。必然的に音階のような音列がつかえるのは高音となりこのような難曲が生まれたのでしょう。バッハはこんな曲を作ってトランペット奏者に文句を言われなかったのでしょうか。。。 バロックの作品は作曲家・奏者双方の努力によって成立するのだとつくづく感心します。

トランペット協奏曲

イメージ
"Trumpet Concerto"  [作曲] B.アッペルモント(Bert Appermont)  [編成] トランペットソロ、吹奏楽  [演奏時間] 約15分 ベルギーの作曲家、アッペルモントの吹奏楽伴奏のトランペット協奏曲です。 アッペルモントは吹奏楽ではおなじみの作曲家、ローストの弟子ですが昨今では師匠を凌ぐ人気作曲家となりつつあります。 吹奏楽伴奏のトランペット協奏曲といえばA.リードのものが最初に思いつきますが、近年ではいろいろな作曲家が作曲しているようで、オーケストラ伴奏のものよりも多いのではないかと思うほどです。機会があれば紹介していきたいと思います。 この曲は、広島ウインドオーケストラの結成30年を記念して同団とNHK交響楽団首席トランペット奏者の菊本氏の委嘱で作曲されたもので、下野竜也氏指揮、広島ウィンドオーケストラで初演されました。 1楽章:ディヴェルティメント ゆったりとした荘厳かつ煌びやかな前奏の続いて、短調の重たい雰囲気を打ち消すような、さわやかなフルートソロに導かれるようにトランペットソロが開始されます。晴れわたる空を滑空するかのような美しい曲です。 2楽章:インテルメツッォ 1楽章と変わって静寂の中を抒情的にソロが歌い上げます。ビブラフォン、グロッケンなど吹奏楽ならではの伴奏が旋律を引き立てます。 3楽章:スケルツォ 少しおちゃらけた雰囲気のコミカルな曲調です。終盤にカンデンツァがあり走り去るように終結します。 難度は当たり前ですが、細かいパッセージ、激しい跳躍などはもちろんのこと表現力が試される非常に難しい曲だと思います。 また1つトランペット協奏曲のレパートリーが増えたと思える名曲です。 こちらが初演時の映像です。