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ペニー・レイン

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"Penny Lane"  [作曲] レノン=マッカートニー (Lennon-McCartney)  [編成] ピッコロトランペットトランペット・ソロ  [演奏時間] 約20秒  [最高音] E 今回は、ポップスの中のトランペットを紹介します。 ポップスでもトランペットは欠かせない楽器として印象的に使われることが多いですが、その中でも世界的に特に有名なソロとして知られるのが、ビートルズのペニー・レインの中間部の登場するピッコロトランペットのソロです。 Wikiでも紹介されているとおり、クラシックのコンサートでバッハのブランデンブルク協奏曲第2番をたまたま見たポールマッカートニーがインスピレーションを得てピッコロトランペットのソロを入れるようにしたそうです。 ビートルズはクラシック音楽を含めいろいろな音楽を貪欲に自身の曲に取り入れてきたアーティストですが、そうした姿勢がこの名ソロを生んだのでしょう。 ほかの曲でもクラシック的な要素がありますが、このピッコロトランペットソロもバッハのような趣のある美しいソロです。 最高音はソ♭ 中学生トランぺッターの児玉 隼人くんの演奏です。素晴らしい!

アイーダより凱旋行進曲

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 "Opera Aida - Triumphal March"  [作曲] G.ヴェルディ (G. Verdi )  [編成] トランペット6重奏  [演奏時間] 約1分半  [最高音] E  [楽譜入手先]  無料楽譜(IMSLP) カタールでサッカーワールドカップ2022が盛り上がっていますが、日本のサッカーの応援で欠かせないのが、ヴェルディの歌劇「アイーダ」の凱旋行進曲です。 イメージと違うかもしれませんが、イタリアの作曲家ヴェルディが古代エジプトを舞台にした作品なんです。敵どうしの禁断の恋を描いた悲劇でエチオピアを攻めたエジプト軍が凱旋するときの音楽です。 この時に活躍するのがエジプト風トランペットで、いわゆるアイーダトランペットとよばれるものです。 近年ではC管の3ヴァルヴの楽器が使われることが多いようですが、もとはスコアに指示がある通り、1つヴァルヴのAb管とH管3本ずつです。                譜面を見るとAb管、H管ともに旋律は同じ記譜です。途中から調が違うために別の調性の管が使用されています。1ヴァルヴなので運指は0と1のみ!簡単。映像のステージ上の奏者も人差し指のみ使用しています。 アイーダトランペット(Wikipediaより) 譜面を見ると自然倍音のみで構成されているので管長を倍にすれば、ヴァルヴなしでも演奏できそうですが、すでにこの時代はヴァルヴもあったので演奏しやすさからヴァルヴを取り付けたということでしょうか? 面白いのは調の違う管がうまくハモっているところです。このあたりはナチュラルトランペットを知らない現代の作曲家には思いつかない発想でしょう。

花の章

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 "Blumine from Symphony No. 1  original version"  [作曲] G.マーラー (G. Mahler)  [編成] トランペットソロ  [演奏時間] 約7分  [最高音] A  [楽譜入手先]  無料楽譜(IMSLP) Andante allegretto 'Blumine' (No.2) オーケストラのトランペット奏者に好きな作曲家と聞くと大抵出てくる作曲家マーラーですが、その中でも比較的聴きやすく人気の高い曲が交響曲第1番「巨人」です。 よく演奏されるこの曲に隠された楽章が存在するのはご存知でしょうか? 現在演奏されるのはほとんど第3稿と呼ばれる4楽章形式のものですが、当初は交響曲第2番や後期の交響曲で見られる、2部5楽章構成をとっておりその中の第2楽章が紹介する花の章です。 マーラーの交響曲の楽章としては10分以内ととても短い曲ですが、とても美しくはかなさを感じる名曲です。 しかも、その主題をトランペットのソロにしているんです!前半は主題の1分近くソロです。 譜面ですが、in Fですので最高音はA(記譜のミ)です。 リヒャルト・シュトラウスと並んでラッパを酷使してくれる作曲家ではありますが、活躍する場面が多く良い作品を書いてくれた作曲家でもあります。

天の舞~Celestial Dance

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 "Celestial Dance"  [作曲] E.モラレス (E. Morales)  [編成] トランペット5重奏  [演奏時間] 約3分  [最高音] ハイH  [楽譜入手先]  Morales Music 夏の吹奏楽コンクールも全日程終了し、アンサンブルコンテストに向けて選曲中の方もおられるでしょう。 昨今のトランペットアンサンブル界に欠かすことのができない作曲家エリックモラレスの作品をご紹介させていただきます。 ヴィンセント・バックを使用している日本のトッププレーヤーのトンらペットアンサンブル「匠」より委嘱された作品です。その名も”天の舞”。 ファンファーレという位置づけですが、3分程度の長さがあり、とてもかっこいいのですが、グレードも相当なもので難しすぎて、その名の通り昇天してしまいそうです。 (もう少し簡単でかっこいいのないできないですかねぇ。モラレスさん!) 序盤のファンファーレ部分は、和音やグリッサンドのような処理からゲームのラスボス登場を思わせるのですが、その中にも妖艶が同居する華々しいものですが、いったん落ち着き、八分音符の伴奏を伴った2ndソロの踊りの部分に入ります、音が上がって再度、踊りのテーマを演奏した後、冒頭のファンファーレの再現が登場して曲を閉じます。 下記動画はリモートで録音されたようですが、息ピッタリの圧巻の演奏です。 Erik Morales · Celestial Dance

指輪物語より第1楽章

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 "Symphony No. 1 "The Lord of the Rings" 1st mov"  [作曲] ヨハン・デ・メイ (J. de Meij)  [編成] トランペットソロ  [演奏時間] 約20秒  [最高音] A  [楽譜入手先]  WBP Plus!(楽天市場店) 今回は吹奏楽の中で活躍するトランペットの紹介です。 ヨハン・デ・メイ作曲の交響曲第1番「指輪物語」より第1楽章 魔法使いガンダルフの序盤に登場するソロです。 この曲は、吹奏楽であるものの少し編成が変わっていてチェロが含まれています。 その、チェロとユーフォニアムの朗々と奏でるテーマを引き継いでモチーフの一部分を歌い上げます。 中低音のチェロ・ユーフォニアムのソリからオクターブ上がってのソロはとても引き立ちます。 交響曲というだけあって全5楽章40分を超える大作です。 大曲で派手な個所も多いのでトランペットを含む金管の見せ場は多いです。3楽章でも1分近くトランペットパートで16分音符を交代で刻むソリがあります。 この曲は、のちにオーケストラへも編曲されています。 さすがロンドン響という圧巻の演奏です。オーケストラ版で改定されたのかトランペットのソロの最後がGの伸ばしとなっています。 こちらは吹奏楽ですが、オーケストラ版とソロが同じです。作曲者本人が指揮しているということはこちらのほうがいいということ? この版を初めて聴いたときは、いい!と思ったのですが、やはり元の最後かげりが見える最初の版が好きです。 (楽譜) 交響曲第1番「指輪物語」全楽章 / 作曲:ヨハン・デメイ (吹奏楽)(フルスコアのみ)【在庫がない場合はお取り寄せ】 価格:20630円(税込、送料無料) (2022/8/31時点) 楽天で購入

6本のトランペットのためのパルティータ

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 "Partita per 6 trombe"  [作曲] イルジー・ラブルダ (Jiří Laburda)  [編成] トランペット6重奏  [演奏時間] 約7分  [最高音]   [楽譜入手先]  Wolfgang G. Haas-Musikverlag Köln e. K.(海外サイト) チェコのラブルダという作曲家の作品です。 3曲の組曲で - Maestoso - Andantino - Vivace という構成です。 厳かなファンファーレのようなゆったりした行進曲のようなMaestoso。 悲しげな旋律がとても美しい、Andantino。 細かいパッセージの旋律がフーガのように重なっていきファンファーレのように一度終了したあと、ゆっくりした静かな旋律を挟んで再度盛り上がり終結します。 とても上品な作品で特に2曲目は白眉です。3曲目が少し盛り上が欠けとらえどころのないところが少し残念ですがとても良い作品だと思います。

音階練習

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普段は、トランペットアンサンブルを中心にトランペットの活躍する曲や譜面をご紹介していますが、今回は基礎練習についてです。 トランペットの基礎練というと、やはりロングトーン、リップスラー、タンギングでしょうか。確かにこれらは重要な練習ですし、多くの方や教則本で取り上げていますのでここでは割愛します。 今回注目したいのは、音階練習です。特にメジャースケール、マイナースケールは西洋音楽の基本であり、これを演奏する上で避けて通ることはできません。 もちろんスケール練習は、アーバンをはじめいろいろな教則本に登場します。 ところが、ほとんどの教則本は、はじめは調号なしのBb dur(Cメジャー)から始まり、次はフラット1つのEs dur(Fメジャー)、シャープ1つのF dur(Gメジャー)といった具合に運指の都合を意識した順番となっていることが多いです。 確かに、初心者で指使いもままならない人にとってはいきなりシャープ6つは厳しいと思います。しかし、ある程度、指使いを覚えた人であれば、声楽の練習のように順番に下から半音ずつ上がったほうがいいのではないかと考え、最低音のEから始まる音階練習を作りました。 慣れないうちは # は赤、 ♭ は青にしている色付きのものを使用するとわかりやすいです。 リンクよりご自由にダウンロードしてお使いください。 音階練習(色付き)楽譜ダウンロード(無料) 音階練習 楽譜ダウンロード(無料) 下のEからハイFまで上がるメジャー・マイナーのスケールです。 ウォームアップの時に下から最高音が真ん中のBbのスケールぐらいまでゆっくり演奏すると口も指もほぐれます。下のE durは慣れないうちは、かなり指がもつれると思います。 練習の中盤ではハイトーン域に挑戦してみるのもいいかもしれません。ただし自分の力量に合わせてくれぐれも 無理のない音域まで にしてください。 アーティキュレーションのバリエーションとしては前半2小節を繰り返すのもいいでしょう。すべてスラーにしたり、すべてスタッカートにしたり、2音ずつペアにスラーをつけたりいろいろなバリエーションで練習してみてください。 ただし、音階練習ということを忘れないでください。時々チューナなどを使用して 丁寧に音程を確認 してください。 覚えてくると譜面を見ずに全種類のスケールができるようになります。シャープ・フラ

3つのミニアチュア

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"Three Miniatures"  [作曲] C. ニーダム (Clint Needham)  [編成] トランペット四重奏  [演奏時間] 5分 (三楽章構成)  [最高音] ハイB(in B読みの場合)  [グレード] 6  [楽譜入手先]  Triplo Press Bugles Across America の5周年記念にアメリカの作曲家 C. ニーダムがに委嘱された作品です。About Usに書かれているように、Bugles Across Americaはアメリカの退役軍人の葬儀のための葬送ラッパ演奏のボランティア団体のようです。 この中で”TAPS”を演奏するという言葉があるのですが、この”TAPS”とは、元々消灯ラッパを意味するものらしく、現在ではアメリカの軍人の葬儀などで演奏されます。自然倍音のみで演奏できるのですが、ファンファーレと違ってゆっくりとしたテンポでどこか哀愁を帯びています。(アメリカ海軍軍楽隊のホームページより公開されている譜面です。) 曲の紹介に戻りますが、次の短い3曲で構成されています。 第1曲 Fanfare(ファンファーレ) とても華々しいファンファーレです。少しわかりにくいですが冒頭の華々しい部分が落ち着いたところでTAPSを象徴する上昇系の3音が出現します。 第2曲 Eternal Call of Taps(不滅のTaps) Bugles Across Americaを象徴するTAPSのドミソが調や形を変えて随所にちりばめられています。厳かで美しい楽句です。 第3曲 Fugue and Flourishes(フーガとファンファーレ) 6/8拍子のフーガに続き、16分音符の2音反復が多用され最後に落ち着いたてTAPSのようなフレーズが出現し終結します。 グレードはやはり6と高めです。1、3曲とも早いパッセージが多く難しそうです。 ただ全曲で5分とアンコンで挑戦できそうな曲でもあります。

サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー

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 "Someone to watch over me"  [作曲] G. ガーシュウィン (G. Gershwin)  [編曲] J. トゥリン (J. Turrin)  [編成] トランペットソロ (ピアノ伴奏)  [演奏時間] 約4分  [最高音] Ab  [楽譜入手先] Joseph Turrin Music(連絡して購入) この曲は元は、ミュージカル『オー・ケイ (Oh, Kay!)』の中で、歌手ガートルード・ローレンスが歌うもので、ジョージ.ガーシュウィンが作曲し兄のアイラ・ガーシュウィンが作詞しました。 この曲を、トランペットアンサンブルや金管アンサンブルなどを多く手掛ける、J.トゥリンが編曲したものです。 とても幻想的で美しい編曲です。 ファンファーレやハイノートのイメージが先行しがちのトランペットですが、バラードもいいですね。 この動画は元ニューヨークフィルハーモニックの首席トランペット奏者、フィリップ・スミスの演奏です。譜面に for Philip Smith とあるのでこの人のために編曲されたようです。 楽譜は直接出版社へ連絡しないと入手できないみたいですが、こちらは楽譜付き動画です。

喜歌劇「軽騎兵」序曲

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 "Light Cavalry Overture"  [作曲] F.v. スッペ(F. Mendelssohn)  [演奏時間] 冒頭40秒  [最高音] F  [楽譜入手先]  IMSLP(無料) このブログで、たびたびオーケストラでトランペットが活躍する曲を紹介していますが、この有名な曲を紹介していませんでした。 スッペの軽騎兵序曲です。 ひと昔前は音楽教育でオーケストラが演奏する曲は「軽・運・白(けいうんぱく)」(軽騎兵・運命・白鳥の湖のこと)が定番だったので、冒頭のファンファーレはクラシックに詳しくない人でも聴いたことあるかもしれません。 この曲は冒頭以外にもトランペット大活躍の曲で途中の馬に乗って駆けるような6/8拍子のテーマでも旋律を演奏しています。盛り上がったところで合いの手でトランペットお得意のタッタカタタタタ・・・のダブルタンギング!! 最後も冒頭のファンファーレのダメ押しロング変形バージョン!!! あまり難しいことを考えずに楽しめる曲ですね。

バレエ音楽「調理場のレビュー」

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"La revue de cuisine"  [作曲] B. マルティヌー(Bohuslav Martinů)  [編成] 混成6重奏  [演奏時間] 20分程度  [楽譜]  IMSLP(国際楽譜ライブラリープロジェクト)  (無料) 少し変わった編成のアンサンブルの紹介です。 マルティヌーの小編成のバレエ音楽「調理場のレビュー」。 クラリネット、トランペット、ファゴット、バイオリン、チェロ、ピアノの6重奏です。 とても楽しい曲なのですが、あらすじは調理場にあるポットと蓋が結婚するという話で、泡だて器や布巾などと喧嘩して仲直りするというものです。 コロナ禍で大人数での演奏がはばかられる昨今、このような小編成のアンサンブルに焦点をあててもいいかもしれません。

双頭の鷲の旗のもとに

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 "Waltz from Coppelia"  [作曲] J.F. ワーグナー (J.F. Wagner)  [編成] トランペット3~5重奏  [演奏時間] 3分  [最高音] G    [出版] kz2 publishing  [楽譜入手先]  piascore 今回は久しぶりに自作の編曲作品を紹介させていただきます。 行進曲「双頭の鷲の旗のもとに」をトランペットアンサンブルに編曲しました。 3本~5本の柔軟な人数で演奏できるフレキシブルトランペットアンサンブルです。 冒頭のファンファーレがかっこいい有名な行進曲です。 オーストリア・ハンガリー帝国の軍楽隊長だったときに作曲されたのがハプスブルク王朝をたたえるこの行進曲です。 題名の「双頭の鷲」とはハプスブルク家の紋章です。 なお、作曲者のワーグナーはオペラや楽劇などで有名なあのR.ワーグナーとは別人です。 ―内容―  パート譜(1~5番トランペット in Bb)  スコア ・演奏時間 約3分 ・原調より4度下 ・最高音 1st G(ラ) ・4th、5thはオプション in Bbの譜面ですのでクラリネットアンサンブルとしてもお楽しみいただけます。

ジークフリート牧歌

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  "Siegfried-Idyll, WWV 103"  [作曲] R. ワーグナー(R. Wagner)  [出番] 405小節中13小節 普段、トランペットアンサンブルやトランペットが活躍する曲をご紹介していますが、反対に活躍しない曲=暇曲を紹介したいと思います。 オーケストラではトランペットやトロンボーンがない曲(いわゆる降り番)は珍しくないのですが、譜面にあるのにほとんど出番がない、または目立たない曲を暇曲と命名してご紹介します。 今回は、R.ワーグナーのジークフリート牧歌です。 ご覧の通り、20分程ある曲なのですが、わずか13小節です。 この曲は、ワーグナーの妻、コジマへの誕生日の贈り物として、その日の朝に、ワーグナー邸で初演されたそうです。完全なワーグナーのプライベートな作品で自宅で演奏するために十数人で演奏できるスコアとなっています。 初演時はなんとヴィオラ奏者が掛け持ちで演奏したとのことです。そのためにに特訓したそうです。 全体が盛り上がってきたところで登場しほかのパートと同じ動きでもありますがやはりトランペットの見せ場で、この動画のイギリスのプロムスの奏者もドヤ顔をして演奏を終えています。そのあと数えなくてもいいですが100小節近く休み。 もう少し、活躍したかったなー。

Nothing Is Impossible(不可能な事はない)

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"Nothing Is Impossible"  [作曲] エディ・ルイス(Eddie Lewis)  [編成] トランペット3重奏  [最高音] G  [演奏時間] 3分半  [出版] Tiger Music  [楽譜入手先]  Tiger Music エディ・ルイス氏作曲のトランペット3重奏です。 このブログでは、同氏の作品を ドリアンダンス 、 Count Your Blessings と易しくてよい作品を取り上げていますが、その中では少し難度の高い作品となっており曲の内容も充実しています。 難度が高いといってもGまでなので練習すれば何とかなるレベルです。 オリジナルの作品のようですが、冒頭から聞きやすい郷愁を誘うメロディー、少しテンポアップしたあとマーチのような明るいテーマ、続いて変拍子が面白い部分、最後に落ち着いて曲が終わります。(さらにきつくなるけど、ここで盛り上がるともっと良かったかなぁ) いろいろな要素があって楽しめる良い作品だと思います。 ルイス氏はたくさん曲を発表していおり、注目の作曲家です。今後もいろいろ紹介していきたいと思います。

序曲『静かな海と楽しい航海』

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 "Calm Sea and Prosperous Voyage"  [作曲] F. メンデルスゾーン(F. Mendelssohn)  [編成] トランペット3重奏  [演奏時間] 40秒  [最高音] A  [楽譜入手先]  IMSLP(無料) メンデルスゾーンでトランペットといえば、パパパパーンで有名な結婚行進曲だと思いますが、今回紹介するのは、曲の最後に華々しいファンファーレで活躍する、序曲『静かな海と楽しい航海』です。 約12分の序曲の最後で岸への到着の喜びを示表す3本のトランペットによるファンファーレのようです。 in DなのでB管の場合、シャープ4つとなり複雑な指使いとなりますが、作曲当時はナチュラルのD管を使用しているはずなのでドミソレしかありません。 tutti のあとのフェルマータに続き、トランペット3本のみで開始され、木管が加わり、同じ音型をホルンが引き継ぎ、とても華やかで勇ましいファンファーレです。 調も含めて、ドヴォルザークの交響曲第7番の第2楽章の最後に似ていますが、メンデルスゾーンのほうが先に作曲しているのでドヴォルザークがまねしたのでしょうか。

マシーン・フォールズ~4本のトランペットのためのカノン風ファンファーレ

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 "Machine Falls ~ canonic fanfare for four trumpets"  [作曲] E.モラレス(E.Morales)  [編成] トランペット4重奏  [演奏時間] 2分半  [出版] Morales Music  [楽譜入手先]  アカデミアミュージック    Theodore Front Musical Literature(海外) 昨今のトランペットアンサンブル界で常に新しい作品を発表してくれる作曲家、E.モラレスの作品を紹介します。 このブログでも、 サイクロン 、 シティスケープ 、 メタリック・フューリー 、 X1 と数多く紹介してきました。 今回は、2020年発表の4本のトランペットのためのファンファーレで短い作品です。 副題にあるようによく聴くとカノンーつまり、同じことを後のパートが演奏しているんです! ところどころ同じ動きでハモったり、現代音楽のような前衛的な響きになったりと面白い作品です。 一番有名なのはもちろんパッフェルベルのカノンですが、こういう作品が書けるひとの頭はどうなっているのでしょうか。 ちなみにMachine Fallsをググるとテネシー州の滝のようですが、詳しいことは不明です。 この作品は、モラレスが書いた15の短い練習という教則本の巻末に収められているようです。 難度は跳躍も多くかなり高そうです。(練習曲を15やるとできるようになるのか?😏)

海賊たちの上陸

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 "The Corsair's Landing"  [作曲] R. シェルドン(R. Sheldon)  [編成] トランペットソロ  [演奏時間] 25秒  [最高音] D  [楽譜入手先]  ミュージック・エイト いつもはオーケストラの曲でのトランペットが目立つシーンを紹介していますが、今回は吹奏楽からの紹介です。 1980-90年代に流行ったロバート・シェルドン作曲の海賊たちの上陸です。 ワンピースもパイレーツ・オブ・カリビアンなかった当時、私にとって海賊はこれでした😅 高校に入学して先輩たちが演奏していたのがこの曲、いつかあのソロを吹きたいと憧れたものでした。 曲はいわゆる三部形式の小品で聴きやすく、冒頭の金管のファンファーレから行進曲風の前半、しっとりと歌い上げる中間部、冒頭のモチーフが再現され終結します。 中間部のトランペットのソロはとてもよくできていて、怖くない下のB(しかも mf )から徐々に上がっていき、EsからDへ跳躍があるものの、クレッシェンドからの  f  のためそれほど無理なく上がれると思います。途中で2ndがはいってきて3度の和音奏でます。これがまた美しい。このテーマが転調してa2(アデュー:ソロから2本になること。高校生の時は知らずにそのままひとしきりソロでおいしく吹かせていただきました😅)になり、ひとしきりのテーマをトランペット1st、2ndパートで奏でホルンのソロを引き継ぎ、最後にまどろむようにソロに戻ります。ここがまたおいしい。 簡単なのに、美しく感動的。(ブラームスもこれくらい簡単にしてくれりゃあいいのに。。。) シェルドンさん、よくぞこのソロをトランペットにしてくださいました。

ムジカ・フェスティーヴァ

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 "Musica Festiva"  [作曲] V.ネリベル(V. Nelhybel)  [編成] トランペット3重奏  [演奏時間] 8分(全15曲)  [出版] Cimarron Music Press(シマロン)  [楽譜入手先]  ミュージック・エイト  、 アカデミアミュージック 古参(?)の吹奏楽ファンの方にはおなじみのネリベルの作品です。 ネリベルの 作品リスト にあるように1965年に作曲されています。 芸術的な趣向ではなく入門者向けの作品のようで(or 3 Horns, 3 Euphoniums or 3 Tubas)ホルン、ユーフォニアム、チューバでも演奏できるようです。 吹奏楽曲のフェスティーボに代表されるようにネリベルの作品には入門者向けの作品も多く残しており、この作品も同様の趣旨で書かれているものと思われます。 とは言え、ネリベル節炸裂の全15曲となっています。 以前紹介した、 12の演奏会用小品 と同じように易しいレベルでネリベルが演奏できるのは非常に嬉しいです。

大学祝典序曲

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 "Academic Festival Overture, Op 80"  [作曲] J. ブラームス(J. Brahms)  [編成] トランペット3重奏  [演奏時間] 40秒  [最高音] G    [楽譜入手先]  IMSLP (無料) 吹奏楽ではあまり演奏されることがないですが、オーケストラ入団のオーディションなどでも使用されるほどオーケストラプレーヤーにとってはおなじみの避けて通ることのできない作品「大学祝典序曲」です。 とても美しいコラールですが  p で dolce の指定がある上に、オクターブの跳躍もあり簡単な譜面の割にとても難しいのです。(だからオーディションにもなるのでしょうが) 美しい上に、後半木管や弦楽器も入ってきてさらに頂点に立つ感じが何ともカッコいい! ブラームスはトランペットいじめのような  p 指定の多い作曲家ですが、良い曲が多いので文句は言えません。でももう少し易しく書いてくれていたら。。。 後半の盛り上がりがtuttiに埋もれがち(またはがなりすぎ)になりやすいのですが、この動画のパリ管弦楽団の演奏はとてもバランスがいいです。ゾクゾクします。

4本のトランペットのためのファンファーレ

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"Fanfare for 4 Trumpets"  [作曲] G. バントック(Granville Bantock)  [編成] トランペット4重奏  [演奏時間] 30秒  [最高音] G    [出版] グッドウィン・アンド・タブ社 (Goodwin & Tabb Ltd.)  [楽譜入手先]  IMSLP (無料) 30秒程度のとても短いファンファーレです。 1stは長さの変わるド・ソ・ド・ファの繰り返しのみですが、2nd~4thのマイナーコード・セブンスコードが加わることでとても深みのあるサウンドのファンファーレとなっています。 バントックというイギリスの作曲家の作品です。 よく知りませんでしたが、バーミンガム市交響楽団の設立にもかかわったようです。 なお、この作品は以前紹介した、 いつも片眼を開けて眠る見事に太った 猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ  同じく、1921年10月1日から1922年1月1日までグッドウィン・アンド・タブ社が7回発行した Fanfare [FAN] での中で発表されたもので、多くの作曲家がトランペットに限らずファンファーレを書いているようです。 サティのほかにも、ファリャやプーランクなど著名な作曲家も参加しています。

2本のトランペットの為の古典的協奏曲

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"Concertino Classico"  [作曲] ジョーゼフ・ホロヴィッツ(Joseph Horovitz)  [編成] トランペット二重奏(伴奏あり)  [演奏時間] 10分 (三楽章構成)  [最高音] ハイB  [楽譜入手先]  アカデミアミュージック   ブレーン   古典的なコンチェルティーノとも和訳されているこの曲は、金管奏者には有名なミュージック・ホール組曲で知られるJ.ホロヴィッツにより作曲されました。 1985年、バッハ、ヘンデル、スカルラッティの生誕300年(3人とも同級生?)を記念して作曲されました。ブラスバンドの伴奏の2本のトランペットソロのための曲でピアノ伴奏版、吹奏楽伴奏版、弦楽オーケストラ伴奏版などあるようです。 譜面付きの動画を見て頂ければわかると思いますが、あまり難しくないです。 ハイBを下に下げても問題なさそうですし、アマチュアでも演奏できそうなコンチェルトは少ないので非常にありがたいです。 <<第一楽章>> 快活で2本の掛け合いが楽しい <<第二楽章>> 悲し気な旋律が美しい <<第三楽章>> アレグロなのに上品さ・さわやかさ兼ね備える冒頭から最後に向け盛り上がっていきます この曲の作曲者ホロヴィッツ氏は2022年1月(95歳)永眠されました。 ご冥福をお祈りいたします。

交響詩「中央アジアの草原にて」

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 "In the Steppes of Central Asia"  [作曲] A. ボロディン(A. Borodin)  [出番] 283小節中25小節 普段、トランペットアンサンブルやトランペットが活躍する曲をご紹介していますが、反対に活躍しない曲= 暇曲 を紹介したいと思います。 オーケストラではトランペットやトロンボーンがない曲(いわゆる降り番)は珍しくないのですが、譜面にあるのにほとんど出番がない、または目立たない曲を 暇曲 と命名してご紹介します。 今回紹介するのはA.ボロディンの交響詩「中央アジアの草原にて」です。 すべて合わせても283小節中25小節です。トロンボーンやティンパニよりも少ないんです。 これで全部です。↓ 一部ハモリがありますが、2ndはほぼそのままオクターブ下です。 練習番号Dはホルンの静かなソロのあとのtuttiなのですが、わりと唐突な感じでがして入りにくいです。ここはffなのでまあ良いですが、Fの6小節目はpで上のF#(in Fの譜面です)の音なのでなかなか怖いです。 ボロディンといえばオーケストラや吹奏楽では歌劇「イーゴリ公」からダッタン人の踊りが有名で、派手なイメージがありますが、同オペラの序曲のホルンソロ(なかなか高音)やノクターンとして単楽章でも有名な弦楽四重奏第2番の第3楽章と思いをはせるような美しい旋律が得意なことががうかがえます。 この曲でも冒頭のクラリネットのソロ、東洋を感じさせるコーラングレのソロ、最後を締めくくるフルートのソロと美しいメロディーが味わえる名曲です。 暇曲に乗る際は、ほかのパートに耳を傾けてみてはどうでしょうか。(落ちないようにしてくださいね)

NTC 全米トランペット選手権 2022

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今年もNTC全米トランペット選手権が4月2日(例年は3月末)にデラウェア大学で開催されました。 結果はNTCの ホームページ に掲載されていますが、優勝者と演奏曲は以下です。 大小の2部門でコロラド大学ボルダー校が優勝しています。 共にオーケストラ大作の編曲もので、(選曲の時点でロシアのウクライナ侵攻はなかったのでしょうが)皮肉なことにロシアものでした。 高校生部門 ダラス・ユース・シンフォニー・トランペットアンサンブル 7本のトランペットのためのファンタジア/E.エワイゼン作曲 冒頭からエワイゼン特有の響きがうまく表現できていますが、音が薄くなる部分で怪しくなるのが残念。 小アンサンブル部門 コロラド大学ボルダー校 スペイン奇想曲/リムスキー=コルサコフ作曲(編曲者不明) 細かい音符の弦楽器のスピッカート(飛ばしという、弓を弾ませて短く速い音を弾く奏法)が子気味良く、うまく表現できていたと思います。 3分30秒過ぎのスネアドラムをイメージしたアルミ箔のようなものを使用したミュートは面白いアイデアです。 大アンサンブル部門 コロラド大学ボルダー校 組曲「火の鳥」/I.ストラヴィンスキー作曲(ガードナー編曲) 冒頭の王女たちのロンドはなかなか良かったですが、トランペット奏者で最初に浮か凶悪な踊りと終曲はイマイチですね。トランペットの高音だけでは迫力がでない。 例年と比べると、会場の音響のせいか録音のせいかは分かりませんが、粗が目立つように感少しレベルが低いような気がしました。来年は今年2冠のコロラド大学ボルダー校が会場ということですので期待したいです。

交響詩「英雄の生涯」より

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"Ein Heldenleben"  [作曲] R. シュトラウス (R. Strauss)  [編成] ファンファーレ(トランペット三重奏)  [演奏時間] 開始20分ごろ(練習番号42)  [最高音] ハイB   今回もオーケストラ曲の中のファンファーレをご紹介します。 マーラーと並んでトランペット奏者にとっては難曲の作曲家R.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」です。 開始20分ごろ(練習番号42)から10小節ほど下記のトランペット3本のファンファーレが舞台裏から響きます。 しばらく、して再度同様のファンファーレが現れます。 このあたりの雰囲気はマーラーとも通じるところがあるような気がします。 編成もとても大きくB管トランペット3本とEs管トランペット2本の5管編成となります。

ラッパ吹きの横笛体験記

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ついにトランペットから話題がそれてしまいましたが、今年からフルートをはじめましたので、その経緯と現状を少しずつお話できればと考えております。 フルートを選んだ理由 軽くてコンパクト 低音楽器やパーカッションに比べるとトランペットでも十分コンパクトなんでしょうが、やはりあの小ささは魅力的です。 消耗品が少ない 一応、タンポは消耗品のようですが、2~5年程度もつようです。 なんといってもほかの木管と違ってリードがないのが特徴です。他の木管はやはりリードという消耗品があり、いくら良いリードを見つけても必ず使えなくなる時が来る宿命があります。弦楽器も定期的に弓や弦を張り替える必要があります。 知名度が高い 「楽器」検索ランキング  でも上位に来ています。 さらにこれが一番の理由かもしれませんが、 価格帯が幅広く非常に安いものもある PLAYTECH ( プレイテック ) / PTFL-200 フルート カバードキィ ¥7,980(税込)    なんと1万を切るもの👆から👇100万越えと思いきや 1000万👀 越えも! 【受注製作】 Pearl パール 総18K金 フルート C足管部 Handmade Opera ハンドメイドオペラ F-OS18KA 価格:10505000円(税込、送料無料) (2022/3/24時点) 楽天で購入 しかもネット通販で1000万越えとは、だれが買うのでしょう? ということで7,980円の楽器を購入させていただきました😊 選定理由など、また今度、書かせていただきます✋

冬季北京オリンピック2022開会式

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"Opening ceremony of beijing olympic game 2022" 五輪開会式 少年のトランペットに称賛の声続々 (デイリースポーツ) やってくれました、北京オリンピック!トランペットの登場です。 しかもソロ。しかも少年。 ネットニュースにもなっているようで、オリンピックでのトランペットの復権です。 このところオリンピックにまつわるトランペットやファンファーレを記事にしていましたがうれしい限りです。 曲はトランペットのために書かれたものではなく、「私と私の祖国」という曲で、中国のオリジナル曲で、若干政治のにおいがしますが、中国でヒットした曲だそうです。 曲の背景はさておき、朗々と演奏する少年にブラボーを送りたいと思います。 NHKのサイトで開会式の様子が見られます。 北京オリンピック開会式 13分あたりから中国旗の掲揚のシーンです。 ちなみに、選手団の入場で使われた曲は開催国の中国以外はパブリックドメインのクラシックを編曲したものでした。 ウィリアムテルから白鳥の踊りまでいったらまたウィリアムテルに戻って、モーツァルトの40番をブチっと切って勇ましく歌唱祖国が始まりました(笑) (選手団 入場曲) 歌劇「ウィリアムテル」序曲よりスイス軍の行進(G.ロッシーニ) 威風堂々第1番(E.エルガー) バレエ音楽「くるみ割り人形」よりあし笛の踊り(P.I.チャイコフスキー) バレエ音楽「くるみ割り人形」より行進曲(P.I.チャイコフスキー) 管弦楽組曲第3番よりジーグ(J.S.バッハ) アイーダより凱旋行進曲(G.ヴェルディ) 春の声(J.シュトラウス二世) トルコ行進曲(L.v.ベートーヴェン) 交響曲第5番「運命」より第4楽章(L.v.ベートーヴェン) 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(M.グリンカ) 歌劇「椿姫」より乾杯の歌(G.ヴェルディ) 歌劇「カルメン」第一幕への前奏曲(闘牛士) ハンガリー舞曲第5番(J.ブラームス) スケーターズワルツ(E.ワルトトイフェル) 喜歌劇「軽騎兵」序曲(F.スッペ) 四季より春(A.ヴィヴァルディ) 交響曲第40番より第1楽章(W.A.モーツァルト) 交響曲第9番「新世界から」より第4楽章(A.ドヴォルザーク) バレエ音楽「白鳥の湖」より白鳥の踊り(P.I.チャイコフスキー) (中国の

モントリオールオリンピック閉会のファンファーレ

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"Maynard Ferguson at the closing of the 1976 Olympics in Montreal"  [作曲] メイナード・ファーガソン(Maynard Ferguson)  [編成] トランペット・ソロ  [演奏時間] 1:30  [最高音] F  [楽譜入手先] なし  執筆時点の2022/2/1では、世界中で新型コロナのオミクロン株が拡大していますが、今のところ、冬季北京オリンピックは開催されるようです。 今回もオリンピックにまつわるトランペットを紹介します。 これまで 東京オリンピックのファンファーレ 、 札幌オリンピックのファンファーレ 、 長野オリンピックのファンファーレ を紹介しましたが、いずれも開会のファンファーレでした。 今回紹介するのは、夏季ですが、1976年のモントリオール大会の閉会式で演奏されたファンファーレです。 演奏するのは地元モントリオール出身のトランペット奏者、メイナードファーガソンです。なんと、ソロで演奏しています。 メイナードファーガソンといえば、アメリカ横断ウルトラクイズでも使用されたスタートレックのテーマをハイトーンで吹きまくるイメージが強いですが、なんと五線の上のFまでに留めた落ち着いたファンファーレです。 まさに閉幕を告げる聖火を消すのにふさわしい厳かな演奏です。

冬の光のファンファーレ~長野オリンピックのための

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"Fanfare of The Nagano Winter Olympic (1998)"  [作曲] 湯浅譲二(YUASA, Joji)  [編成] ブラスアンサンブル  [演奏時間] 0:40  [最高音] ハイBb  [楽譜入手先] なし  (執筆時点の2022/1/5時点では)まもなく、北京2022冬季五輪が開催されます。 そこで、昔の冬季大会から長野オリンピックのファンファーレを紹介します。 五輪のためのファンファーレはいくつかありますが、代表的なものは、ジョンウィリアムズのロサンゼルスオリンピックのファンファーレでしょう。 また、このブログでもいくつか紹介していますが、日本人にとってなじみのあるのは 東京オリンピックのファンファーレ 、そして、 札幌オリンピックのファンファーレ です。 残念ながら、東京2020大会でもそうでしたが、昔と違って単なるトランペットまたは金管のみのファンファーレはないのではないかと思います。 そういう意味で1998年のこのファンファーレはオリンピックのなかで最後の金管のみのファンファーレかもしれません。 作曲は湯浅譲二氏です。現代音楽の作曲家で吹奏楽作品は少ないようですが、子供時代にブラスバンドを経験されており、式典向けのファンファーレには珍しい、不協和音を使用した美しい作品となっています。 楽譜の出版は無いようで詳しい編成が不明ですが、ホルンを欠く、2郡のブラスアンサンブルのようです。 不協和音を使っていながらも、題名に”冬の光”とあるように透明感が感じられます。