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5月, 2017の投稿を表示しています

ファンファーレ 組曲第4番「絵のような風景」よりジプシーの祭り

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"Fête Bohème"  [作曲] J . マスネ(Jules Emile Frédéric Massenet)  [楽譜入手先]  IMSLP   44ページから (無料) 今回も、トランペットアンサンブルというより、トランペットが活躍するオーケストラ作品の紹介です。 吹奏楽でもおなじみマスネの絵のような風景の最終曲です。 冒頭から華やかなファンファーレがあります。 まず、1,2番のオクターブのユニゾン1小節に続き、同じ音型で3,4番がユニゾンで呼応しブラスセクション全体で3連符のファンファーレを奏でます。 中間部のチェロの美しい旋律に入る前と、後半盛り上がってコーダに突入する直前に同じようなファンファーレがあり、トランペット無しには語れない一曲となっています。

フェリタス/トランペット六重奏

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"Feritas"  [作曲] R . エスメール(Reena Esmail)  [編成] トランペット6重奏  [演奏時間] 7:00  [最高音] ハイC#  [楽譜入手先]  reenaesmail.com  [楽譜サンプル]  スコアサンプル フェリタスは、イェール大学音楽院トランペット科の委嘱によって、エスメールが作曲した作品です。 音大の委嘱ということもあり、トランペットアンサンブルの限界に挑戦すべく、非常に難解で難度の高い作品となっています。 スコアサンプル を見ていただければわかりますが、変拍子のオンパレードで指揮なしには演奏不能でしょう。 刻みを伴う速い部分と対比的に遅い部分があり、速い部分は5/8や7/8など四分音符で割り切れない八分音符が緊張感を伴ったアクセントになり、遅い部分は、ワウワウミュートなどを使用して弛緩した雰囲気を効果的に演出しています。 その二つの要素が後半に同居し徐々に緊張感を高め終結していきます。 なかなか気軽に演奏できる曲ではないですが、挑戦し甲斐のある一曲です。

奇しきラッパの音(レクイエムから)/トランペット八重奏

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"Tuba Mirum"  [作曲] G. ヴェルディ(G. Verdi)  [編成] トランペット8重奏  [演奏時間] 0:45  [楽譜入手先]  IMSLP   2. Sequence (Dies Irae) (無料) 今回も純粋なアンサンブルではなく、オーケストラの中の一部で活躍する箇所を紹介します。 アイーダや椿姫の乾杯の歌などオペラでとても有名なヴェルディですが、レクイエムの中の「怒りの日」はCMなどでも耳にしたことがあると思います。 本当にタイトル通り怒り狂った曲です。その怒りが収まった(?)あとの曲が、この「奇しきラッパの音」という曲でトランペットのみはその冒頭です。 音量 p 指定でステージの2本で静かに開始され、バンダ(ステージ外)の2本が呼応します。さらにかぶせるように別のバンダの2本が呼応し、残りのステージ上の2本も加わり徐々に音量を増して頂点でフルオーケストラのtuttiとなります。 まさに、あちこちからトランペットのファンファーレが降り注ぐトランペット祭りの1曲です! ちなみにタイトルのtubaはあのチューバのことではなくラテン語でトランペットのことのようです。Mirumが驚きとかいう意味(おそらくミラクルの語源?)で「奇しきラッパの音」という和訳になるようです。

ドリアン・ダンス/トランペット二重奏

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"Dorian Dance"  [作曲] E. ルイス(Eddie Lewis)  [編成] トランペット2重奏  [演奏時間] 1:00  [最高音] C  [出版] Tiger Music  [楽譜入手先]  Sheet Music Plus  (eBook)  [楽譜サンプル]  google books  (No.29 Dorian) 二重奏は合奏の基本!今回紹介するのは、非常に簡単なのになかなか雰囲気のある、E.ルイスのドリアン・ダンスです。 この曲は、E. ルイスの”セレブレーション” 101のオリジナル・トランペット・デュエット集に収められた1曲で、上記リンクより楽譜サンプルを見ていただければ、(No.29がこの曲)わかると思いますが非常に簡単です。 初心者でもできそうなのに、真面目に演奏してもなかなか趣がある名作です。 ちなみにドリアンというのはあの臭いけどおいしい果物ではなく、グレゴリオ聖歌などに用いられる教会旋法(音階の一種)の中のドリア旋法というものです。 どおりで何か、いにしえのありがたいもののような(?!)雰囲気があるんですね。 何はともあれ、アマチュアにとって、簡単でいい曲は大歓迎ですね。

トリオ・リリカル/トランペット三重奏

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"Trio Lyrical"  [作曲] T. ストークス (Tobin Stokes)  [編成] トランペット3重奏  [演奏時間] 8:00  [出版] Brassworks 4  [楽譜入手先]  qPress  (サンプルあり) この作品は、 Reveille Trumpet Collective の委嘱によりT. ストークスによって2010年に作曲されました。 基本的に音量は抑え気味なのですが、内に秘めた強い感情、力強さを感じる作品で、 トランペットアンサンブルにありがちな、華やかさだけ、勢いだけといった作品とは完全に一線を画す、非常に芸術性が高い作品です。 楽譜入手先ではサンプル譜面を閲覧することができます。 ゆっくりとしたテンポなので、一見簡単そうに見えるものの、時折出てくる細かい音符、不安定な和音など、作品のタイトルとなっているリリカル(叙情的)な演奏にはかなりのレベルが必要と思われます。 ですが、とても魅力的な作品です。

「さくら色のワルツ」 佐藤 和哉 作曲

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"SAKURA IRO NO WALTZ"  [作曲] 佐藤 和哉 (SAITO, Kazuya)  [編成] トランペット, 篠笛, ピアノ (パーカッション、ギター)  [演奏時間] 4:00  [楽譜入手先]  【譜面】1stアルバム「ふうちそう」楽譜集【お取り寄せ商品 佐藤和哉】 今回紹介するのは少し変わり種、篠笛とトランペットのアンサンブルという珍しい作品です。 この作品は篠笛奏者の佐藤和哉氏が作曲したもので、華やかなイメージが先行しがちなトランペットですが、それとは対照的に柔らかくあたたかい音色をうまく引き出せる曲調となっています。 それぞれのトランペットソロ、篠笛ソロはもちろん良いのですが、トランペットと篠笛というまったく音色が違う楽器の2重奏になったときに、お互いを邪魔することなく、とても心地よく聴こえるのは、和音ではなくオブリガート的な使い方をしているからではなないでしょうか。 ところで、この曲どこかで聞き覚えないですか? 実は、少し前の朝ドラ「ごちそうさん」のオープニングテーマ、ゆずの「雨のち晴レルヤ」のモチーフとなった曲だそうです。( wikiより ) 楽譜は、「ふうちそう」に収録されているようです。さくら色のワルツにはトランペット譜もついているようです。 篠笛奏者はなかなか見つからないので、なかなか同じ味は出せないですが、フルートやリコーダーでやってみてもいいかもしれません。

トランペット三重奏曲 M.ロンドー作曲

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"Trumpet Trio in C major"  [作曲] M. ロンドー (Michel Rondeau)  [編成] トランペット3重奏  [演奏時間] 1:20  [楽譜入手先]  ISMLP(無料) 今回は、ISMLPに無料公開されているトランペットアンサンブルを演奏してみました。 M. ロンドー氏の3重奏曲です。 M. ロンドーは1948年生まれのカナダの作曲家・トランペット奏者(プロ・アマ不明)でISMLPにてトランペットの作品を含む多数の作品を発表しています。 交響曲においては、大規模なものは少ないようですが、なんと!第56番まで、発表しています。 その中で、今回紹介するトリオは比較的易しく、ほぼ初見でも演奏できてしまう1:20の短い作品ですが、フーガのようにモチーフを各パートが引き継いでおり、バッハの作品のような宗教的な敬虔さ上品さが感じられます。 簡単でよい作品が少ないトランペットアンサンブルの中ではとても貴重でありがたい存在です。(しかも無料!)