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アイーダより凱旋行進曲

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 "Opera Aida - Triumphal March"  [作曲] G.ヴェルディ (G. Verdi )  [編成] トランペット6重奏  [演奏時間] 約1分半  [最高音] E  [楽譜入手先]  無料楽譜(IMSLP) カタールでサッカーワールドカップ2022が盛り上がっていますが、日本のサッカーの応援で欠かせないのが、ヴェルディの歌劇「アイーダ」の凱旋行進曲です。 イメージと違うかもしれませんが、イタリアの作曲家ヴェルディが古代エジプトを舞台にした作品なんです。敵どうしの禁断の恋を描いた悲劇でエチオピアを攻めたエジプト軍が凱旋するときの音楽です。 この時に活躍するのがエジプト風トランペットで、いわゆるアイーダトランペットとよばれるものです。 近年ではC管の3ヴァルヴの楽器が使われることが多いようですが、もとはスコアに指示がある通り、1つヴァルヴのAb管とH管3本ずつです。                譜面を見るとAb管、H管ともに旋律は同じ記譜です。途中から調が違うために別の調性の管が使用されています。1ヴァルヴなので運指は0と1のみ!簡単。映像のステージ上の奏者も人差し指のみ使用しています。 アイーダトランペット(Wikipediaより) 譜面を見ると自然倍音のみで構成されているので管長を倍にすれば、ヴァルヴなしでも演奏できそうですが、すでにこの時代はヴァルヴもあったので演奏しやすさからヴァルヴを取り付けたということでしょうか? 面白いのは調の違う管がうまくハモっているところです。このあたりはナチュラルトランペットを知らない現代の作曲家には思いつかない発想でしょう。

花の章

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 "Blumine from Symphony No. 1  original version"  [作曲] G.マーラー (G. Mahler)  [編成] トランペットソロ  [演奏時間] 約7分  [最高音] A  [楽譜入手先]  無料楽譜(IMSLP) Andante allegretto 'Blumine' (No.2) オーケストラのトランペット奏者に好きな作曲家と聞くと大抵出てくる作曲家マーラーですが、その中でも比較的聴きやすく人気の高い曲が交響曲第1番「巨人」です。 よく演奏されるこの曲に隠された楽章が存在するのはご存知でしょうか? 現在演奏されるのはほとんど第3稿と呼ばれる4楽章形式のものですが、当初は交響曲第2番や後期の交響曲で見られる、2部5楽章構成をとっておりその中の第2楽章が紹介する花の章です。 マーラーの交響曲の楽章としては10分以内ととても短い曲ですが、とても美しくはかなさを感じる名曲です。 しかも、その主題をトランペットのソロにしているんです!前半は主題の1分近くソロです。 譜面ですが、in Fですので最高音はA(記譜のミ)です。 リヒャルト・シュトラウスと並んでラッパを酷使してくれる作曲家ではありますが、活躍する場面が多く良い作品を書いてくれた作曲家でもあります。

天の舞~Celestial Dance

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 "Celestial Dance"  [作曲] E.モラレス (E. Morales)  [編成] トランペット5重奏  [演奏時間] 約3分  [最高音] ハイH  [楽譜入手先]  Morales Music 夏の吹奏楽コンクールも全日程終了し、アンサンブルコンテストに向けて選曲中の方もおられるでしょう。 昨今のトランペットアンサンブル界に欠かすことのができない作曲家エリックモラレスの作品をご紹介させていただきます。 ヴィンセント・バックを使用している日本のトッププレーヤーのトンらペットアンサンブル「匠」より委嘱された作品です。その名も”天の舞”。 ファンファーレという位置づけですが、3分程度の長さがあり、とてもかっこいいのですが、グレードも相当なもので難しすぎて、その名の通り昇天してしまいそうです。 (もう少し簡単でかっこいいのないできないですかねぇ。モラレスさん!) 序盤のファンファーレ部分は、和音やグリッサンドのような処理からゲームのラスボス登場を思わせるのですが、その中にも妖艶が同居する華々しいものですが、いったん落ち着き、八分音符の伴奏を伴った2ndソロの踊りの部分に入ります、音が上がって再度、踊りのテーマを演奏した後、冒頭のファンファーレの再現が登場して曲を閉じます。 下記動画はリモートで録音されたようですが、息ピッタリの圧巻の演奏です。 Erik Morales · Celestial Dance