葬送と勝利の大交響曲よりアポテオーズ
"Apothéose de la Symphonie Funèbre et Triomphale"
[作曲] H.ベルリオーズ(Hector Berlioz)
[楽譜入手先] IMSLP(無料)
今回は、冒頭のトランペットファンファーレがかっこいい一曲を紹介します。
ベルリオーズの「葬送と勝利の大交響曲」より終楽章 アポテオーズです。
この曲は、幻想交響曲で有名なベルリオーズが作曲した最後の交響曲なのですが、オーケストラ曲ではなく吹奏楽のために書かれたとても珍しい作品なのです。
年代的に残念ながらサックスは含まれていませんが、まぎれもない吹奏楽のための作品で、クラシックの大家による吹奏楽作品としてとても重要な作品です。
(紹介するベルリンフィルの動画では申し訳程度に弦楽器が加っていますが、作曲家自身が後から弦楽器および合唱を追加したようですが、旋律の主体はクラリネットであり完全に吹奏楽です。)
そのため吹奏楽界では有名ではあるものの、演奏時間30分以上、作曲家の指定では100名を超える編成と吹奏楽作品としては非常に大規模であること、全三楽章構成で、第1楽章「葬送行進曲」につづく、第2楽章「追悼」はトロンボーンの独奏を伴っていることもあり、重要でありながら演奏機会に恵まれない作品でもあります。
さて、今回紹介する最終楽章(第3楽章)「アポテオーズ」は、ドラムロールに導かれ4パートのトランペットおよび2パートのコルネットがユニゾンでファンファーレを開始します。
ホルン・トロンボーンを加えながら、ファンファーレの後半でユニゾンから和音へと変わります。
非常にオーソドックスなファンファーレのように聴こえますがトランペットパートは倍音「ド・ミ・ソ・レ」のみで構成されており、当時台頭してきたピストンをもつコルネットで演奏可能だった「シ」を加えており、トランペットのみでは演奏不能だった和音を持つ画期的なファンファーレなのです。
それにより実現したFdurに導かれtuttiとなります。このテーマはなかなかキャッチーで口ずさみたくるような魅力的なテーマです。(CMで使用されていた記憶があります。)
3楽章自体は8分~10分とそれほど長くはないものの、中間部でシリアスな雰囲気(1、2楽章と非常に重苦しい場面を回想させる)を伴いながらも、やはり最後に戻ってきたキャッチーなテーマは、後に合唱が加えられ、ベートーヴェンの第九の歓喜をも彷彿とさせます。
吹奏楽の枠を超え非常に芸術性が高く重要な作品と言えます。
こちらの動画はサイモンラトル指揮ベルリンフィル50周年ガラコンサート(こんな重要なコンサートで吹奏楽!)です。無料では途中までしか聴くことができませんが、言うまでもなく演奏はハイクオリティで非常に勢いがあり子気味よいテンポ感が心地よい名演です。
こちらは、フィリップ・フェロ指揮パリ警視庁吹奏楽団です。
対照的に落ち着いた丁寧な演奏です。
[作曲] H.ベルリオーズ(Hector Berlioz)
[楽譜入手先] IMSLP(無料)
今回は、冒頭のトランペットファンファーレがかっこいい一曲を紹介します。
ベルリオーズの「葬送と勝利の大交響曲」より終楽章 アポテオーズです。
この曲は、幻想交響曲で有名なベルリオーズが作曲した最後の交響曲なのですが、オーケストラ曲ではなく吹奏楽のために書かれたとても珍しい作品なのです。
年代的に残念ながらサックスは含まれていませんが、まぎれもない吹奏楽のための作品で、クラシックの大家による吹奏楽作品としてとても重要な作品です。
(紹介するベルリンフィルの動画では申し訳程度に弦楽器が加っていますが、作曲家自身が後から弦楽器および合唱を追加したようですが、旋律の主体はクラリネットであり完全に吹奏楽です。)
そのため吹奏楽界では有名ではあるものの、演奏時間30分以上、作曲家の指定では100名を超える編成と吹奏楽作品としては非常に大規模であること、全三楽章構成で、第1楽章「葬送行進曲」につづく、第2楽章「追悼」はトロンボーンの独奏を伴っていることもあり、重要でありながら演奏機会に恵まれない作品でもあります。
さて、今回紹介する最終楽章(第3楽章)「アポテオーズ」は、ドラムロールに導かれ4パートのトランペットおよび2パートのコルネットがユニゾンでファンファーレを開始します。
ホルン・トロンボーンを加えながら、ファンファーレの後半でユニゾンから和音へと変わります。
非常にオーソドックスなファンファーレのように聴こえますがトランペットパートは倍音「ド・ミ・ソ・レ」のみで構成されており、当時台頭してきたピストンをもつコルネットで演奏可能だった「シ」を加えており、トランペットのみでは演奏不能だった和音を持つ画期的なファンファーレなのです。
それにより実現したFdurに導かれtuttiとなります。このテーマはなかなかキャッチーで口ずさみたくるような魅力的なテーマです。(CMで使用されていた記憶があります。)
3楽章自体は8分~10分とそれほど長くはないものの、中間部でシリアスな雰囲気(1、2楽章と非常に重苦しい場面を回想させる)を伴いながらも、やはり最後に戻ってきたキャッチーなテーマは、後に合唱が加えられ、ベートーヴェンの第九の歓喜をも彷彿とさせます。
吹奏楽の枠を超え非常に芸術性が高く重要な作品と言えます。
こちらの動画はサイモンラトル指揮ベルリンフィル50周年ガラコンサート(こんな重要なコンサートで吹奏楽!)です。無料では途中までしか聴くことができませんが、言うまでもなく演奏はハイクオリティで非常に勢いがあり子気味よいテンポ感が心地よい名演です。
こちらは、フィリップ・フェロ指揮パリ警視庁吹奏楽団です。
対照的に落ち着いた丁寧な演奏です。
コメント
コメントを投稿