デザート・スケッチ/トランペット五重奏

"Desert Sketches"

 [作曲] ケイシー・マーティン(Casey Martin)
 [編成] トランペット5重奏
 [演奏時間] 10分
 [最高音] ハイCb
 [出版] CCM Music
 [楽譜入手先] CCM Music(海外)
 [サンプル楽譜] スコア

今回紹介する、デザート・スケッチ(砂漠のスケッチ)は以下の2楽章で構成されています。
 I. The rocks, we must climb them! ~ 登るべき岩
 II. The desert, from the top. ~ 頂上からの砂漠の風景
2つの楽章は切れ目なく演奏され、全体で10分とトランペットアンサンブルとしては大規模な曲です。

第1楽章の冒頭はそそり立つ岩を象徴するかのような、2nd以下のユニゾンのファンファーレから始まります。1stはハーマン・ミュートでフラッターをかけて不気味な雰囲気を出しています。
徐々にテンポを速めスリリングな雰囲気は険しい岩を登っていく様子を表しています。も
切れ目なくアタッカで演奏される第2楽章は、打って変わって静けさの中から始まります。
しばらく、穏やかな旋律と非常に美しい上昇形の音型を繰り返しながら徐々に頂上への到達の歓喜が頂点へ達したかのようにffへと到達します。
その後、落ち着きを取り戻し、ハーマン・ミュートで表される風の中へと消えてきます。

作曲者のケイシー・マーティンはアメリカの作曲家・トランペット奏者で、全米トランペット選手権(NTC)のトランペットアンサンブル部門への出場経験もあるようです。
砂漠のスケッチというタイトルと最初のファンファーレとガラガラヘビのようなハーマン・ミュートのフラッターでエジプトや中東の砂漠をイメージしてしまいましたが、舞台は、アメリカのカリフォルニア州南東部に位置するジョシュア・ツリー国立公園での作者の体験に基づいているようです。

 グレードについて明記はありませんが、スコアを見て頂ければわかる通りかなり高いことがわかります。変拍子をカウントするだけも一苦労。さらに各パートずらした上行形のモチーフも合わせるのに苦労しそうです。(それが美しいのでしょうけど。)
 最後も消えゆくような、金管には苦手な表現で終結しています。

しかし、その苦労をしてでも挑戦し甲斐のある傑作です。
     

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